SABICイノベーティブプラスチックス
耐アンモニア性Lexan* DMX樹脂がNorka社の高効率LED照明の長寿命化に貢献

これまでNorka社は白熱灯と標準PC樹脂で照明を製造していたが、電球切れとアンモニアによる樹脂の 白濁によって、約1年で部品を交換する必要があった。同社は優れたエネルギー効率と長寿命化を兼ね備えた 環境配慮型照明の開発を目標としてLEDを採用、長寿命化に対応可能なより高機能な樹脂を必要 としていた。

Norka社のCEOであるマルティン・C・シュテッカーは「当社は業界における技術的リーダーであると 自負しており、最高の素材を使って最新のイノベーションを進めるという当社の取り組みの一翼を担う サプライヤを求めています。長年にわたりSABICイノベーティブプラスチックスと協力してきたのも、 こうした理由によるものです。もう一つの理由としては、同社がLexan DMX樹脂といった最新の特殊 グレードソリューションを広範な独自照明製品向けに迅速に提供できる点にあります。どんなに厳しい 要件であろうと、SABICイノベーティブプラスチックスは常に当社の要望を満たしてくれます。」 と述べた。

SABICイノベーティブプラスチックスのLexanコポリマー、欧州プロダクト・マーケット・リーダーの ロブ・デヨングは「今回Lexan DMX樹脂が採用されたこの特殊なアプリケーションは、SABICイノベーティブ プラスチックスの重要で戦略的な取り組みを代表するものです。当社は機能性に優れたLexanコポリマー製品 への投資を継続し、Norka社のような顧客の製品の差別化や新規市場参入の手助け、品質や性能全般の改善に 向けた新しく魅力的な設計の可能性を提供します。また当社ではエネルギー効率の高いLED照明など長期的に 持続可能な応用製品の設計を可能とする革新的な素材にも注力しています。」と述べた。

PMMAや標準PCを上回る優れた機能性

当初Norka社は、ポリメチルメタクリレート（PMMA）をLuzern LED照明に使用することを検討したが、 この素材は十分な熱変形温度や耐衝撃性がなく、またグローワイヤ試験（GWIT）での結果も不十分である ことが判明した。これに引き換えLexan DMXコポリマーはGWITで850°Cを実現しており、これはフランスを はじめとするいくつかの国での照明用途において、強度を含めた鉄道での使用規準を満たすための主要な 要件である。

Lexan DMX樹脂の鉛筆硬度はHで標準PCの表面硬度の2.5倍に当たり、特殊なコーティングを施すことなく 優れた耐引っ掻き性も発揮する。またLexan DMX樹脂はアンモニア蒸気に晒されても、透明度や表面の平滑度、 強度が損なわれることはない。この結果、照明の外観や光の透過性は維持されると共に安全上の問題となる 可能性のある脆化を防止できる。

Luzern照明に使用する際は、透明なSABICイノベーティブプラスチックスの素材を長い管状に押出成形し、 その中に一連のLED照明デバイスを封入する。

Lexan DMXコポリマーのその他のアプリケーションとしては、電化製品のキーパッドやタッチスクリーン、 テレビやノートパソコンの枠、レンズ、傷付き防止用の共押出フィルムやシートなどがある。

SABICイノベーティブプラスチックスは、LED照明業界に向けた幅広い高機能製品ポートフォリオをK2010に 展示する。同展示会ではLED照明業界に対する取り組みに加え、Norka社の最新LED蛍光灯「Luzern 38」を 含めた最新のアプリケーションを紹介する。

* SABIC Innovative Plastics IP BV の商標です。