SABICイノベーティブプラスチックス
世界的な需要増に対応するため、カルタヘナ工場のUltem*樹脂生産能力を35%増強

SABICイノベーティブプラスチックスの社長 兼CEOであるチャリー・クルーは「当社2番目の『超高機能』 樹脂生産プラントの開設は、私たちにとって重要な節目となるものです。当社は、優れた耐熱性や強度と いった厳しい要件を必要としている世界中の顧客をサポートするため、同工場におけるUltem樹脂の生産を 早急に開始し、将来的にはExtem樹脂およびその他の高耐熱性樹脂の生産も予定しています。またこれらの 樹脂は世界中の顧客の需要に応えるため、スペインや世界各地の工場で生産される様々なコンパウンド製品 にも使用されています。当社は今まで以上に製品技術を駆使したイノベーションへの取り組みを強化して いきます。この新たな施設は、SABICが優れた素材ソリューションによって顧客のイノベーションや成長の 支援に向けた重要な設備投資の一環です。」と述べた。

Ultem樹脂、Extem樹脂のブレンドと中間体

カルタヘナ工場では、卓越した機能性を兼ね備える熱可塑性Ultem樹脂を主に生産する。Ultem樹脂は、 SABICイノベーティブプラスチックスのカルタヘナ工場内のコンパウンディング施設やその他のコンパウン ディング工場において、着色剤や強化材などを配合し顧客の仕様に合わせたコンパウンド製品を作ること ができる。Ultem樹脂は、繊維、フォーム、フィルム、ファブリック、紙などの形状で、世界各地のSABIC イノベーティブプラスチックスまたは販売提携先から入手することができる。さらに同素材は、ESD特性や 潤滑性、熱伝導性といった特殊機能を付与し強化することも可能であり、これらの製品はSABICイノベーテ ィブプラスチックスのLNP*特殊コンパウンド事業部から提供されている。

Ultem樹脂は、30年以上にわたって家電や電子電気製品、ヘルスケアおよび輸送分野において顧客製品の 性能向上に寄与してきた。現在Ultem樹脂は、より優れた機能特性や射出成形以外の技術への適用拡大に よって、代替エネルギーやLED照明、宇宙航空機内装部品といった新たな分野での顧客ニーズに対応している。

また新プラントではUltem樹脂に加えて、半導体、輸送機器および電気電子業界で求められる厳しい要件に 対応するため、優れた耐熱性をはじめとする様々な機能性を提供するExtem樹脂の生産も可能である。同プラ ントには、Extem樹脂の大規模生産に対応可能な拡張性が備わっている。

さらにSABICイノベーティブプラスチックスは、Ultem樹脂の製造工程から独自の高純度な特殊中間体の抽出 も行う。これらの特殊な中間体はコーティングの改質に加え、接着剤、熱硬化性樹脂、製薬用途や色素といった 樹脂製品の基礎化学品として利用することができる。

* SABIC Innovative Plastics IP BV の商標です。