日精樹脂工業株式会社（本社：長野県埴科郡、代表取締役社長：依田穂積）は、グローバル生産体制強化の一環として、米国テキサス工場（Nissei America，Inc.）における生産能力の増強を図るため、かねてより実施してきた工場の拡張工事を完了し、２０２５年２月より増築スペースの稼働を開始します。
当社は、射出成形機のグローバルサプライヤーとして「より市場に近い生産基地で、各市場ニーズに合
った最適機種を生産・供給していく」との方針のもと、日本、中国、タイ、米国、イタリアの世界５極によるグローバル生産体制を構築しています。
このうち米国工場については、北米市場に向けて大型射出成形機を安定的に、短納期で提供するため、２０１６年１１月に生産子会社を設立し、２０１８年３月より工場の稼働を開始しました。開業当時の米国では、第一次トランプ政権における対中国の追加関税や米国内への生産回帰の動きが強まる中で、当社は、Made in USAのハイブリッド式大型射出成形機の組立てを着々と進め、これまでに２００台以上の米国製大型機を北米・中南米市場に送り出してきました。
これまでは、型締力5,500kN（560トン）～12,800kN（1,300トン）までの大型機の生産を行ってきましたが、北米市場では自動車産業や住設・建築資材向けを中心に、さらなる超大型機設備への要望が多く寄せられていたことから、２０２３年３月に米国工場の拡張を決定、この増床工事により同29,400kN（3,000トン）クラスの超大型機まで組立可能な工場へと増強されました。
奇しくも米国では第二次トランプ政権のスタートを目前に控え、日本を含めた世界各国ではトランプ大統領の関税引き上げに注目が集まっていますが、当社にとっては、今回の工場増強によりMade in USAのラインナップを拡充し、米国市場におけるプレゼンスをさらに高めることが可能と考えます。また米国現地法人のNissei Americaは、２０２１年に製販一体運営の体制を整えていることから、引き続きお客様のニーズにきめ細かく的確にお応えし、顧客満足度の向上を図ってまいります。
その他、Nissei Americaでは下記の施設・機能を有しています。
- テクニカルセンターを併設･･･カスタマーサービス向上の一環として、納入前の顧客立会い試験やセンター常設機によるデモンストレーションや各種試験（金型テスト・材料テスト等）に対応している他、各種セミナーを開催可能。
- トレーニング・スクールを開校･･･プラスチック射出成形分野のエキスパートを育成する専門機関として、講義と実技によるカリキュラムでユーザー向けに開催。
- パーツセンター･･･自動倉庫による部品管理で、カスタマーサービス体制を強化。
【米国現地法人の概要】
(1)社 名：Nissei America, Inc.
(2)所 在 地：3730 Global Way, San Antonio, TX 78235, U.S.A.
（米国テキサス州サンアントニオ市ブルックスシティーベース工業団地内）
(3)事業内容：射出成形機の製造・販売
(4)出資比率：日精樹脂工業株式会社 100％
(5)資 本 金：3,170万ＵＳドル
(6)敷地面積：36,500㎡
(7)建屋面積：今回の増築スペース 2,841㎡
既存スペースを含めた工場全体の建屋面積 13,521㎡
【米国における当社の展開】
１９６０年７月 輸出第１号機を米国へ出荷
１９６４年９月 ロサンゼルスに駐在事務所を開設
１９７７年１０月 米国に販売子会社「Nissei America, Inc.」を設立
２０１６年１１月 米国に生産子会社「Nissei Plastic Machinery America Inc.」を設立
２０１８年３月 米国生産子会社「Nissei Plastic Machinery America Inc.」稼動開始
２０２１年７月 米国販売子会社「Nissei America, Inc.」と米国生産子会社「Nissei Plastic Machinery America Inc.」を統合。合併存続会社「Nissei America, Inc.」の本社をテキサス州に設置。製販一体の運営により市場ニーズに合った射出成形機を一気通貫で提供する体制を構築。