サイエンスコ、北米最大級の電気自動車バッテリー材料プラントを建設しクリーンエネルギーへの移行を加速

  • 米国バッテリーベルトの中心地であるジョージア州オーガスタに新たな生産施設を起工し、米国のEVバッテリーサプライチェーンを強力にサポート

米ジョージア州オーガスタ, 2024年5月27日 – サイエンスコは2024年4月25日に、米ジョージア州ガスタにおいて自動車バッテリー製造に向けたポリフッ化ビニリデン(PVDF)生産施設の起工式を行ったことを明らかにしました。起工式には、大統領上級顧問・補佐官兼ホワイトハウス政府間問題局長のTom Perez氏、米国エネルギー省製造・エネルギーサプライチェーン局長のGiulia Siccardo氏らが参加しました。バイデン=ハリス政権から寄せられている強固な支持は、米国EV市場における本プロジェクトの重要性を強調するものです。

サイエンスコ_北米最大級の電気自動車バッテリー材料プラントを建設同プラントは完成時に北米最大級のPVDF生産施設となり、米国内で高まる蓄電市場のニーズに応えるものです。この施設はサイエンスコの世界的な電動化戦略における重要なマイルストーンであり、電動化と電気自動車(EV)の普及促進に不可欠なバッテリー材料の生産に貢献します。PVDFは、リチウムイオン電池の電極バインダーやセパレーターのコーティング材料として使用される熱可塑性フルオロポリマーです。新プラントでは特に、サイエンスコの代表的なPVDF製品であるソレフ®が生産されます。ソレフ®は、EVの充電1回ごとの航続距離を延ばし、バッテリー寿命を延長するほか、バッテリーの安全性向上に寄与します。

サイエンスコの最高経営責任者であるDr. Ilham Kadriは、「サイエンスコがオーガスタでこの施設を起工したことは、地球環境の保護と人類の進歩という私たちの大きな目標が行動に移されたことを意味します。私たちは、電動化市場の可能性を引き出し、米国でのEV普及を促進するため、エネルギー貯蔵の未来形成に貢献できることを誇りに思います。この新施設の着工は、私たちの成長と米国EV産業の継続的な成長にとって重要なマイルストーンとなるものです」と話しています。

この施設は年間500万個以上のEVバッテリーに対応できる量のPVDFを生産可能であり、これは2030年までに必要と予測されるPVDF需要の45%に相当します。また本施設は、急速に成長する米国のEVバッテリー市場における信頼性の高い材料供給源としての役割を担うとともに、バリューチェーン全体で数百人規模の雇用を創出します。

サイエンスコの最高技術・イノベーション責任者兼北米最高責任者であるMike Finelliは、「政府、自動車メーカー、材料メーカーは、この重要な地域が成長を続け、EV革命の中心地になることができるよう、協力して支援を行っています。サイエンスコの新しい施設はEV材料の信頼できる供給源となり、これによって米国EV業界は堅牢な国内サプライチェーンを利用できます。私たちは『メイド・イン・アメリカ』バッテリーベルトの一員としてオーガスタ地域の経済成長を後押しするとともに、持続可能なEVイノベーションを推進するというコミットメントの実現に向けて取り組んでまいります」と話しています。

米国エネルギー省製造・エネルギーサプライチェーン局はこの施設の建設を支援するため、サイエンスコに17,800万ドルの助成金を交付しています。この助成金は、EV用および電力網用バッテリーの国内製造を拡大させる米国インフラ投資・雇用法の一環として交付されました。この施設は、建設に関わる約500人の地元雇用を創出し、完成後は施設で働く100人以上の高度な技術を持った製造業人材の雇用を生み出します。

さらに、サイエンスコは地元の労働力開発を支援するために100万ドルを投資しています。これは、経済的に恵まれず、過小評価を受けている農村部のコミュニティに対する教育リソースと技術トレーニングの提供を拡充することで労働力開発を支援しようという取り組みであり、今回のプロジェクトでは、こうしたコミュニティの人々の優先的な採用も検討されています。この投資の一環として、サイエンスコはオーガスタ・テクニカル・カレッジをはじめとする地元の高等教育機関への寄付も予定しています。

このオーガスタの生産施設は、サイエンスコとOrbia[1]社による合弁事業の一部です。Orbia社の原料資産および生産に関する専門知識、そしてサイエンスコのソレフ® PVDFを組み合わせることで、性能の向上とバッテリー寿命の延長を実現する高品質で安定性に優れたPVDF製品の安定供給が可能となります。

[1] Orbia Advance Corporation, S.A.B. de C.V. (BMV: ORBIA)