[大阪] 2014年11月5日 – ロック、ラッチ、ファスナ、ヒンジ、ポジショニングテクノロジーや電子アクセスなど各種アクセスソリューションの世界的なリーディングサプライヤーであるサウスコ社の日本法人・サウスコ・ジャパン株式会社は、同社の「DZUS® (ズース)クオーターターンファスナ」製品に関し、輸送機器や産業機械およびヘルスケア機器などの国内市場に向けた用途開拓を積極化する。
DZUS® クオーターターンファスナはネジ状のスタッドと受金であるリセプタクルで構成され、ボルト/ナットといった締結具と異なり、スタッドを1/4(クオーター)回転させるだけで締め付けが可能なファスナ(締付け具)である。発明から80年以上が経過したDZUS® 製品は7年前にサウスコのブランドに統合されており、現在も高い知名度と実績を持つファスナとしてパネル締結用途を中心に世界中の様々な産業分野で利用されている。DZUS® クオーターターンファスナは材料や表面仕上の異なる幅広い標準製品が取り揃えられており、主に自動車、トラック、バス、列車、航空宇宙、産業機械、エンクロージャー、二輪車といった産業分野で広く用いられている。DZUS® クオーターターンファスナの最大の利点は、低い導入コスト、迅速な取付、繰り返し利用可能、作業時間の短縮、確実な締め付け保持と作業者の使い易さに配慮した設計である。
自動車産業においては、メンテナンスや作業のため頻繁に取付や取外が行われるノイズ用シールド、ヒューズボックスやエンジンカバーといった用途にD1 DartおよびD2 Rapier DZUS® クオーターターンファスナが利用されている。またトラックの内外装には、D2 RapierおよびD8 Panex DZUS® クオーターターンファスナが多く用いられており、主な用途としてエアフィルター、メンテナンスカバー、ポンプカバー、バッテリーカバー、スカートパネル、エンジン遮熱板、ディーゼル微粒子除去フィルター、冷却システムなどが挙げられる。特にD8 Panexは、独自の精密圧延工法を取り入れることで、少量から中量の生産量でも競争力のあるコストでの製品提供を実現している。またD8 Panexは、産業機械分野においてエアフィルターやメンテナンスカバーといった用途で広く採用されているほか、二輪車のカウル、シート、収納カバー、エンジンフィルターカバーなどに用いられている。これらに加えて、先ごろ発表されたD8 Panexのステンレス製バージョンは、標準D8製品と同様の機能性を備える上、熱や腐食が動作に影響を与える可能性が危惧される過酷環境下において、信頼性が高く振動に強い締め付けを可能とする。このためサウスコでは、信号機や看板などの屋外用途、材料の選定要件が厳しいヘルスケアなどの屋内用途に向けて、D8 Panexのステンレス製バージョンの用途開拓を進めていく。
DZUS® 製品は耐久性や信頼性に加え導入が容易であり、また製造施設が航空宇宙産業向け品質マネジメントシステム規格AS9100(JIS Q 9100)認証を取得していることから、長年に渡り航空機産業で利用されている。DZUS® クオーターターンファスナの原型モデルとして知られるD4標準シリーズ(1930年代に開発)およびD5 Panelファスナは、大手航空機メーカーにおいてアビオニクス(航空機用電子機器)、照明機器、空調設備といった幅広い用途に用いられている。
特にD5 Panel製品は、部品の欠落や紛失を防ぐフレアイン式のスタッドを特徴としており、ファスナとリセプタクルによる独自の構造がアビオニクス産業で高い評価を受け、コックピットの計器パネルなどに用いられている。リセプタクルは、単一孔タイプから板状の複孔タイプまで取り揃えてられており、モジュール式の取付も可能である。またD5 Panel製品には、アビオニクス用途に準拠した表面仕上(亜鉛メッキ、クロメート処理)が施されている。近年では、複雑な計装パネルを備える産業機械など、航空宇宙以外の産業分野においてもファスナ取付のモジュール化が広まっていることから、D5 Panel製品の需要が伸びている。
サウスコ、輸送機器部門インダストリーマーケティングマネージャー のウルリケ・スターマンは、「DZUS® は、80年以上にわたりファスナの課題に取り組んできた、世界で最も知られたクイックファスナのブランドです。サウスコは、さらなる開発によってさらに幅広い産業用途に向け、進化するお客様のニーズに応える標準製品を拡充してまいります。サウスコのグローバルな供給体制と現地サポート体制は、仕入一元化によってお客様の開発時間とコストの低減に大きく貢献します。」とコメントした。