フランス、パリ、2017年3月16日 – 特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは、JEC World 2017の会場（ホール5A、ブースL42）にて本日、高精度部品の射出成形企業であるPerformance Plastics Ltd.社がEnduroSharp™ スクレイパーブレードの新製品開発の成功に同社の高機能トーロン® ポリアミドイミド（PAI）が大きく貢献したと発表しました。この新製品は、航空機関連の保守にも使用できる革新的な製品です。トーロン® PAIは、こうした新しいツールの強靭性を高め、競合ポリマーで成形した刃よりも刃先を長く使用し続けることができ、また、扱いの難しい素材をデリケートな表面から取り除くのに十分な安全性を備えています。
ソルベイの高機能トーロン® ポリアミドイミド（PAI）は、Performance Plastics Ltd.社のEnduroSharp™ スクレイパーブレードのラインナップに加わる新製品の開発に用いられています。この新製品は競合ポリマーで成形した刃よりも刃先を長く使用し続けることができ、しかも扱いの難しい素材をデリケートな表面から取り除くのに十分な安全性を備えています。写真：Performance Plastics社提供
「現代の航空機向けに安全で効果的なスクレイパーブレードを設計することは、ことのほか単純なことです」と語るのは、Performance Plastics社のPresidentであるTom Mendel氏です。「金属ブレードよりもポリマーの方が安全な選択肢であることは明らかでしたが、設計、コスト、性能、加工性のどれも犠牲にすることなく、われわれの基準をすべて満たすことができたのはトーロン® PAIだけでした。ソルベイの材料により、強度と剛性、鋭い刃先、切削性と高い耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性を兼ね備えた新世代の成形スクレイパーを開発することが可能になりました。」
このトーロン® PAIを使ったブレードハンドルとインサートにより、航空機関連の保守担当者が繊維強化複合材、プラスチック、ガラス、セラミック、金属といった基材や留め具から、エラストマーコーティング、ブーツ、テープ、シーラント、接着性樹脂、填隙剤、テープの残留物を安全に取り除くことができるようになりました。PAIの刃は、さらに不要物を除去し易くするために、熱や薬品を使ったスカイビング加工と共に使用することができます。
トーロン® PAIは、熱硬化性ポリイミドの比類なき性能と、熱可塑性樹脂の加工上の利点を兼ね備えています。ポリエーテルイミド（PEI）とポリエーテルエーテルケトン（PEEK）もこうした用途に使用する材料として候補となりますが、どちらの材料も鋭い刃を作るには成形した材料を切削加工する必要があります。それに比べてトーロン® PAIは優れた加工性により成形するだけで鋭い刃を作ることができ、時間、コスト、切削加工で無駄になる材料をなくすことができます。また、ソルベイの材料を加工して、留め具周りで作業するために隙間を作った刃など、一点物のデザインを行うこともできます。さらに、トーロン® PAIの熱硬化性材料のような特性により、EnduroSharp™ の刃は再研削の高熱と摩擦に耐えることができ、PEEKやPEIで製造した刃でできるようなバリができません。
ソルベイ製トーロン® PAIの一部グレードでは、強靭性、高強度、高剛性を275℃まで保つことができ、また幅広い耐薬品性により強酸、大部分の有機物、航空機用流体や溶剤に耐えることができます。
JEC World 2017は、3月14日～16日にParis Nord Villepinte Exhibition Centreで開催予定の世界最大の複合材料展示会で、原材料から加工機械、最終製品まで、複合材料のバリューチェーン全体にわたって展示が行われます。
Performance Plastics Ltd.社について
米国のシンシナティ市で1982年に設立されたPerformance Plastics Ltd.社は、顧客とパートナーシップを結び、高温熱可塑性樹脂が持つ性能上の利点を活かしてきました。
同社は、PEEK、PAI、PEIフッ素樹脂といった特殊ポリマーや、その他の高機能熱可塑性樹脂コンパウンドの成形を専門とする企業です。世界的な高分子科学者や業界大手の材料サプライヤーと長く共同開発を行ってきた歴史があり、医療、産業、石油・ガス、自動車、航空宇宙市場向けにカスタマイズした樹脂の組成を研究しています。詳細については、http://performanceplastics.comをご覧ください。