ジョージア州アルファレッタ、2016年10月26日 – 特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは、本日、K 2016展示会(ホール6、ブースC61)に於いて、医療グレードIxef® GS-1022ポリアリールアミド(PARA)樹脂が、Elasso Surgical Instruments社のElasso™ 組織除去器具の開発に貢献したと発表しました。
Elasso™ 組織除去器具は、アデノイドおよび扁桃腺手術用の革新的な使い捨て電気焼灼器具です。優れた曲げ強さと高流動性を備えたlxef® PARAにより、金属に代わる有効な代替材料が実現したことで、医療器具のパイオニアであるElasso Surgical Instruments社は、主要構成部品の剛性を損なわずに、器具の人間工学的特性、精度、手術効率を最適化できるようになりました。Elasso Surgical Instruments社の新しい器具は今年初めに、米国食品医薬品局(FDA)の510(k)認可を取得し、米国で市販されています。
「当社は使い捨てのElasso™ 器具に、きわめて野心的な設計を追求しました。この器具は、金属の代わりにソルベイの高機能ポリマーを用いて、きわめて長くて細い鉗子状のアームを形成しています。これにより、てこ効率、届く範囲、コントロール効率が向上しています。」とElasso Surgical Instruments社の最高執行責任者(COO)であるOlivier Lecerf氏は述べています。「複数のハイエンドポリマーをテストしましたが、必要とされる成形時の高流動性と、完成部品における強度および剛性を兼ね備え、当社の設計が目標とする鉗子のてこ効率を実現できたのは、Ixef® GS-1022 PARA樹脂だけでした。」
世界では毎年、200万件を超えるアデノイド口蓋扁桃摘出術と咽頭扁桃切除術が行われています。しかし、そうした手術で組織切除に用いられる器具の多くは、手術中や術後の回復という点でいくつかの欠点があります。青とグレーで着色したIxef® GS-1022 PARAグレードは、器具のアーム部分を形成しています。アームの先端には金属製のループがあり、これを電流により加熱し、摘出組織を正確に切除して焼灼できる温度にします。
Ixef® GS-1022 PARAは50%ガラス繊維強化コンパウンドで、さまざまな色に着色できます。すべてのIxef® GS PARAグレードおよび着色製品は、優れた剛性と強度、流動性に加え、ガンマ線照射に耐性があります。外観や物理特性を大きく損なうことなく、高エネルギーガンマ線照射での滅菌が可能です。これらの医療グレードの製品について、ISO 10993-1の規定に基づく生体適合性試験を実施したところ、細胞毒性、感作性、皮内反応、急性全身毒性の兆候は見られませんでした。
「ソルベイの多くの特殊ポリマーと同様、Ixef® PARAは、従来のプラスチックに代わるより効率的な選択肢となるだけでなく、多くの金属に代わる新たな代替材料にもなります。」とソルベイスペシャルティポリマーズのGBU、Global Business Development Manager for HealthcareであるJeff Hrivnak氏は述べています。「ソルベイの製品は、現代の生物医学機器OEMに大きな躍進をもたらす可能性を秘めています。Elasso Surgical Instruments社は、そうした可能性を実証したイノベーターの最新の例といえます。新しいElasso™ 器具の開発で重要な役割を果たせたことは、ソルベイにとってたいへん光栄です。」
™ ElassoはElasso Surgical Instruments社の商標です。
® Ixefはソルベイの登録商標です。