ソルベイは、バッテリージャパン2016で電気自動車用電池および電池パック向けに幅広い高機能ポリマー製品を展示

ソルベイスペシャルティポリマーズのソレフ® PVDFディスパージョンは、長きにわたり、xEV市場向けの高エネルギーリチウムイオン電池ソリューションを実証しています。 (写真提供:ソルベイSA)

ソルベイスペシャルティポリマーズのソレフ® PVDFディスパージョンは、長きにわたり、xEV市場向けの高エネルギーリチウムイオン電池ソリューションを実証しています。
(写真提供:ソルベイSA)

東京、2016年3月2日– ソルベイは、2016年第7回国際二次電池展(通称:バッテリージャパン)で、高いエネルギーと高い安全性、高い持続性の電池市場、特に、電気自動車(xEV)のニーズに重点を置いて、革新的な製品を継続的に提供する取り組みを示します。

ソルベイスペシャルティポリマーズは、新しいソレフ® PVDFバインダー、セパレータコーティング材料、電解液添加剤に加え、要求の厳しい電池パック用途にも対応するさまざまな高機能ポリマーによる解決法を紹介します。この包括的な製品群は、東京ビッグサイトで開催される第7回国際二次電池展(3月2~4日)期間中に、西4ホール、ソルベイのブースW28-39で展示する予定です。

Research and Markets社1の調査によれば、アジアパシフィック地域の自動車の電動化は、かなりの速度で成長を続け、2019年までの年平均成長率(CAGR)は15.2%に達すると見込まれています。日本はこの成長に大きく寄与しており、リチウムイオン電池分野をリードする複数の世界的企業を輩出しています。

リチウムイオン電池の中心部を担うソルベイの高機能製品

リチウムイオン電池の中心部を担うソルベイの高機能製品:セパレータコーティングが負極と正極との間の安定した距離を保ち、バインダーが活物質を密着させます。最先端の塩および電解液添加剤により、電池の寿命、容量、安全性が高まります。 (図版提供:ソルベイSA)

「最先端の技術がますます複雑化するのに伴い、電池についても、モバイルエネルギーへのニーズの高まりに足並みを揃えていくと見ています。我々が求めているのは、環境にやさしく、小さなパッケージでより大きな電力を提供し、短時間で充電でき、より長く持続する電池です。」とソルベイスペシャルティポリマーズのSenior Vice President SolvayおよびGlobal Business Development Manager Li-ion BatteryであるPrakash Raman氏は述べています。

「この動きの激しい業界において、お客様が意欲的な目標を達成できるように支援するために、ソルベイでは、最先端の自動車用電池および電池パック向けの高機能製品を幅広く提供しています。」
ソルベイは先日、ソレフ® 5130および5120と同時に、負極および正極用の新世代PVDFバインダーを発表しました。ソレフ® PVDFは、正極バインダー材料として卓越した電気化学的安定性を備えているほか、負極側のバインダー寿命を延ばす効果もあります。さらに、この材料を使えば、メーカーは事実上バインダー添加量を下げ、活物質を増やすことが可能です。これは、エネルギーと出力の向上、寿命の延長、コスト削減につながります。

高エネルギーxEVリチウムイオン電池の世界的サプライヤーにとって、とりわけ重要な課題は、負極と正極を隔てるセパレータの安全性を高めることです。厳しい動作条件下で、可能な限りの安全性を確保できるセパレータが求められます。現在もっとも一般的なセラミックコーティングとの併用を念頭に置いたソルベイの新しいソレフ® 75130 PVDFは、コーティング粒子層との優れた密着力が得られます。この特徴は、電極とのラミネーション性能の高さとともに、より効率の良い長期的な高エネルギー電池性能を実現するための鍵となります。

リチウムイオン電池セパレータ市場向けの最先端素材分野において、有数のプロバイダーであるソルベイは、セパレータコーティング向け水系乳化PVDFの開発に継続的に取り組んでいます。このようなPVDFは、有機溶剤が不要であり、電池メーカーのカーボンフットプリントと溶媒リサイクルコストを削減することができます。

「当社は継続的に、リチウムイオン電池市場向けPVDF技術の改良に努めています。」とPrakash Raman氏は述べています。「ソルベイの新世代ソレフ® PVDFセパレータコーティングおよびバインダー材料は、フッ素系ポリマー化学に関するソルベイの高度なノウハウを証明するとともに、負極、正極、およびセパレータ用の革新的なポリマー技術に対する深い理解を示すものです。」

ソレフ® PVDFは、部分フッ素化半結晶性ポリマーであり、石油・ガス、半導体、水処理、太陽光発電といった要求の厳しい業界で長きにわたって成果を上げており、リチウムイオン電池業界の材料面での課題の多くも解決します。

電池モジュールおよび電池パックハウジング内の構成部品に用いられるソルベイスペシャルティポリマーズのアモデル® ポリフタルアミド(PPA)やその他の高機能ポリマーは、高温での安定性、電解液に対する化学的安定性、寸法安定性、難燃性を兼ね備えているほか、軽量で自由なデザインが可能です

アモデル® PPAで成形したバスバーガスケットおよび高電圧コネクターは、優れた耐電圧性に加えて、良好な柔軟性と保色性という利点も得られます。また、重要なのが、電池パックの液冷システムに用いられるガルデン® パーフルオロポリエーテル(PFPE)です。この製品は、優れた電気絶縁性、高い熱伝導性、低粘度という特性を備え、安全性の低い従来の水とグリコールの混合物に代わって用いることが可能です。

「低排出ガス自動車ソリューションの重要な要素である電気自動車用の再充電可能電池は、高度な技術を用いた構成部品であり、さまざまな厳しい動作条件下で最適な性能を確保することが求められます。自動車および電池業界で長年にわたる経験を積み、協力を重ねてきたソルベイは、確かな理解、適切な技術的能力、優れた製品により、信頼性の面でも収益性の面でもそうした要求に応えることができます。」とPrakash Raman氏は付け加えています。

リチウムイオン電池の電解液については、ソルベイのSpecial Chemグローバルビジネスユニットが、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド(LiTFSI)、モノフルオロエチレンカーボネート(F1EC)、リチウムトリフレート(LiTA)、ターシャリーアミルベンゼン(TAB)といった高度な官能基化添加剤を提案しています。

LiTFSIは電解液添加剤または塩として用いられ、高速充電に求められる高いイオン伝導性を備えています。優れた耐薬品性・耐熱安定性により、リチウムイオン電池に用いられる電解液の性能と安全性が向上します。LiTFSIとLiTAは、いずれも次世代のリチウム硫黄(Li-S)電池に採用されているリチウム塩です。F1ECはよく知られている電解液添加剤で、負極表面で熱安定性の高い固体電解質界面(SEI)コーティング層を構成することで、寿命と電池容量を向上させます。TABは正極の作動電圧よりも酸化開始電圧が高く、リチウムイオン電池の電解液中の過充電防止剤として用いられます。

ソルベイではこれらの市販製品に加え、ジフルオロエチレンカーボネート(F2EC)、TFEEC環状・鎖状カーボネートなどの新しいフッ素化合物や、新たな電極および高電圧用途に適した画期的な電解液システムをターゲットとするTFSARの塩およびイオン液体誘導体(CF3SO2NHR誘導体R=メチル基など)を開発しています。

東京ビッグサイトで開催される第7回国際二次電池展(バッテリージャパン)の期間中(3月2~4日)は、西4ホールのブースW28-39で、ポリマー電解液および市場に関するソルベイのエキスパートが、安全で持続可能な最先端の高エネルギーリチウムイオン電池向けに、ソルベイが提供している高度な材料や技術を説明します。

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1 www.researchandmarkets.com/research/xx6bpz/vehicle