ケルン(ドイツ) 2015年2月12日 – ソルベイは、乗用車用およびトラック用のタイヤコンパウンドにおいて高い生産性(混練および押出能力)と柔軟性向上(カップリング剤との反応コントロール、配合再設計の機会)に大きく貢献する革新的な補強用フィラー、高分散シリカ「Efficium®(エフィシウム)」を開発した。本製品は2015年2月10日から12日まで独ケルンで開催の「タイヤ・テクノロジー・エキスポ」において展示紹介された。
高分散シリカは、乗用車向け低燃費タイヤおよび高性能タイヤの性能向上における重要材料である。このたびソルベイが開発したEfficium® は、転がり抵抗、耐摩耗性やグリップ性能といったタイヤ性能のキーとなる特性を高次元で発揮し、生産性と競争力の向上に寄与する革新的な高分散シリカである。Efficium® は、これまでタイヤ産業において補強用フィラーとして多用されてきたカーボンブラックから高分散シリカへの置換えを強力に促進する製品となる。
ソルベイ・シリカのリサーチ・イノベーション・ディレクターであるジャン・フランソワ・スピンドラー(Jean-Francis Spindler)は、「Efficium® を開発するなかで、私たちのR&Iチームは、シリカの使用に関連するあらゆる制約に挑戦してきました。Efficium® がもたらすメリットは、現実的な条件の下、量産スケールで分析および確認されています。乗用車用およびトラック用に作られたタイヤによって路面試験を実施したところ、非常に優秀な結果が示されました。」と話している。
Efficium® は、低いムーニー粘度、寛容な温度管理、押出し成形時の形状安定性、未加硫コンパウンドの貯蔵期限が長い、といった特徴によって、生産の自由度を拡大可能な製品である。
「トラック用タイヤコンパウンドにおいて、Efficium® は転がり抵抗と耐摩耗性を維持、もしくは参考レベルを上回る性能を示すと共に、混練と押出しの工程において最大30%の生産性向上をもたらします。」とスピンドラーは付言している。
これまでタイヤメーカーは、転がり抵抗の最小化、ウェットグリップの最適化、コスト効率に優れた生産技術など、相反する要素のバランスを取ることに気を使ってきた。Efficium® は生産性と性能を主眼に設計された革新的な高分散シリカであり、こうした課題に対するソリューションとなる。
ソルベイ・シリカのグローバル・ビジネス・ディレクターであるクリスチャン・ロジェ(Christian Leger)は、「タイヤメーカーは、タイヤのエネルギー性能と安全面における厳しい要求を支える革新的なソリューションを求めています。製品の差別化を進めるため、よりコスト競争力に優れたシリカテクノロジーに対するタイヤメーカーのニーズを、私たちは十分に理解しています。Efficium® 高分散シリカは、他のシリカやシリカベースのソリューションを越える優れた特性のバランスによって、こうしたニーズに応えます。」としており、加えて、「Efficium® は、持続可能な移動手段に対する世界的なニーズに応えるため、ユニークで柔軟なソリューションを提供します。」と話している。
ソルベイは、大手タイヤメーカーが現在行っている試作および試験の先に期待される需要に応えるため、事業継続マネジメントポリシーの観点から、Efficium® 高分散シリカを異なる3ヶ所のサイトから一貫して世界中に供給する。
# # #
ソルベイ・シリカ(Solvay Silica)は、1990年代に高分散シリカを発明し、低燃費タイヤのキープレーヤー。その革新的なソリューションは、世界中のタイヤメーカーに持続可能なモビリティーの発展手段を提供する。9つの製造拠点と4つのR&I研究所を4大陸に持ち、ハミガキや研磨剤などパーソナルケア用、動物飼料用、高性能メンブレンや補強ゴムなどの用途にも製品を提供する。