日本・東京、2018年11月14日 – SABICは米カリフォルニア州で開催のIDTechEx展において、革新的な新しい高耐熱性LEXAN™ CXTフィルム製品を発表する。この新しいポリカーボネート(PC)製フィルムは、高温プロセス環境において優れた熱安定性および寸法安定性を発揮し、同時に高い光学的透明性と設計柔軟性を兼ね備える。本製品は、急速に成長するフレキシブルプリントエレクトロニクス市場で利用される電子基板など、高い加工温度や使用温度にさらされるさまざまな用途に対して、高性能でコスト効率に優れたソリューションを提供するため特別に開発されたものである。
SABICのファンクショナル フォームズ ビジネスにおいてフィルム製品のグローバルビジネスマネージャーを務めるRavi Menon(ラヴィ・メノン)は「基板は多くのフレキシブル・プリンテッド・エレクトロニクス・アプリケーションに不可欠な要素ですが、しばしば軽視される傾向にあり、耐熱性に関して言えば、生産プロセスに望ましくない制約を生じる懸念があります。」としており、加えて「当社の新しい高耐熱性LEXAN™ CXTフィルムは、こうした制約を克服できるよう設計されており、従来の高耐熱性フィルムと比べ、卓越した透過率、低ヘイズさらに高い透明度を提供します。」とコメントする。
LEXAN™ CXTフィルムのガラス転移温度は196°Cであり、これはより高い加工温度が求められ、熱に関する要求が厳しいプロセスで必要とされる寸法安定性を満たす。さらに、SABICの豊富な高性能熱可塑性フィルム製品群における新製品の追加は、コスト効率に優れたLEXAN™フィルムに対してお客様が従来から期待している優れた成形性を発揮すると共に、フレキシブルプリント基板をはじめ正確なパターン転写が要求される各種のアプリケーションに高い設計柔軟性を提供する。
代表的な50μm厚において、LEXAN™ CXTフィルムは卓越した光透過率(最高90%)を示し、また黄変も非常に少なく、特に既存のポリイミド製品を凌駕する。低ヘイズを含めたこれらの特徴によって、新しいフィルム製品は、長期間にわたりガラス同様の透明性を確保しなければならない用途にとって理想的な選択肢となる。
Ravi Menonは、「SABICは、要求の厳しい最終製品においてプリンテッド・エレクトロニクス技術の利用が急速に広まることで、より高い設計自由度、性能、製造効率、コスト管理に対応できる最先端の原材料ソリューションを市場に供給できるよう、しっかりと取り組んでいます。」としており、また「この革新的なLEXAN™ CXTフィルムは、現在のダイナミックな市場環境において、お客様の生産性向上と競争力強化を支援する当社の能力と専門知識を実証するものです。」と付言する。
フレキシブル・プリント電子基板のほか、LEXAN™ CXTフィルムの潜在的な用途には、ハイエンドタッチスクリーンやディスプレイの導電層といった積層構造のアプリケーションに加え、半導体業界で部品のアニーリングや硬化プロセスに用いられる高耐熱性の透明熱成形トレイなどが挙げられる。
この新しい高性能熱可塑性フィルム製品は社内の比較試験および厳格な顧客評価試験を通過し、世界中で販売が予定されている。
SABICはカリフォルニア州サンタクララコンベンションセンターで開催のIDTechEx 2018展において、LEXAN™ CXTフィルムを正式発表する。11月14日から15日の両日、ブースZ31にて、本製品および他の革新的な材料の適用について、同社の担当者と話せる場を設けている。