- ULTEM™樹脂の製造およびコンパウンド工場をシンガポールに新設し、アジア地域の顧客ニーズに対応するとともにPEIの総生産能力を50%増強
- アジア地域への投資により高耐熱性ULTEM™樹脂をアメリカ、ヨーロッパ、アジア地域で生産する唯一の化学会社としての地位を確立
- オランダ工場でNORYL™樹脂の生産を再開し、PPEの総生産能力を40%以上増強
日本・東京、2018年2月8日 – SABICは、高機能性樹脂として知られるULTEM™樹脂(ウルテム、PEI:ポリエーテルイミド)とNORYL™樹脂(ノリル、PPE:ポリフェニレンエーテル)の世界的な供給能力の増強に関するアジアとオランダでの投資プロジェクトを発表した。SABICはウルテム樹脂の生産能力を拡大するため、シンガポールにある既存のコンパウンド工場の拡張を含めた新たな工場の建設を計画し、2021年上期までの稼働を目標に政府との最終調整を進めている。また、ノリル樹脂と同オリゴマーの生産拡大を図るため、2019年末までにオランダのベルヘン・オプ・ゾームに保有する既存工場での生産を再開する。
SABICでスペシャルティ事業の上級副社長を務めるアーネスト・オキエロは、「今回の投資は、アジア地域を中心とした顧客の需要増加に応えるものです。これら2つの高機能性樹脂の暫定的な生産能力増強を行いましたが、グローバルの需要は非常に大きく、SABICは顧客の成長をサポートするためさらなる生産能力拡大に投資しています。当社は今後も、適切な生産能力を、適切な地域で、そして、適切なタイミングで顧客のニーズに応えられるよう供給能力の増強に投資してまいります。」と話している。
ウルテム樹脂は現行、米国インディアナ州のマウントバーノンとスペインのカルタヘナの2か所で生産されている。今後、シンガポールの新工場が稼働することで アジア地域の顧客、特に評価サイクルの短い用途にリードタイムを短縮できる。シンガポール工場の本格稼働後、ウルテム樹脂の総生産能力は2018年と比べて50%の拡大となる。オキエロは、「シンガポールの新工場が加わることで、SABICはアジア、アメリカ、ヨーロッパの三極で高耐熱性樹脂を生産する唯一の化学会社となり、顧客に対して大きなアドバンテージを提供できることになります。」と述べている。
オランダ工場でのノリル樹脂の生産再開はグローバルでの供給のセカンドソースとなり、SABICが欧州市場や欧州から材料ソリューションを求めるグローバルカスタマーに対しより強くコミットすることが可能となる。オランダ工場の稼働によりノリル樹脂の総生産能力は2017年比40%以上の増強となる。
またSABICは既存のセルカークとマウントバーノン工場の製造プロセスの見直しを行い、2018年末までにノリル樹脂およびウルテム樹脂の生産能力の増強を計画している。この取り組みは需要増加への対応とリードタイムの短縮に寄与する。