SABICのLEXAN™樹脂で成形した史上最大のリア・クォーター・ウィンドウが、Buickの新世代GL8の MPVに採用

日本・東京、2017年1月18日 – SAIC General Motors(SGM)は、SABICのLEXAN™樹脂(ポリカーボネート樹脂・以下PC樹脂)で成形した世界最大のリア・クォーター・ウィンドウを採用した新世代Buick GL8およびGL8 Avenir高級多目的車(MPV)を中国で販売開始したことを明らかにした。5車種展開する人気車種GL8シリーズは、中国市場で2000年以降700,000台以上の販売実績をもつ主力機種である。

SABICのLEXAN™樹脂で成形した史上最大のリア・クォーター・ウィンドウが、Buickの新世代GL8の MPVに採用新しいリア・クォーター・ウィンドウは、同等のガラス・ウィンドウに比べ、40%(3kg)軽量化され、耐衝撃性も大幅に向上している。また、PC製ウィンドウは、ガラスでは実現できないデザイン要素を特徴としており、新世代GL8のより革新的な外観に貢献した。

SGMは、このリア・クォーター・ウィンドウ部品のTier 1サプライヤーとして、Ningbo Shentong Auto Decorations社を選択した。Shentong社は、自動車用プラスチック製品で長い実績のあるメーカーであり、コンセプトから実証段階まで開発サイクル全体にわたり設計支援と技術サポートを提供した。

さらに、Shentong社は、PC製グレージングの新たな製造施設に投資した。同施設は、中国の余姚市にあり、国内初の大量生産PC製グレージング生産ラインとなる。同製造設備には、最先端の2色射出圧縮成形やフロー・コート・プロセスなど、最新のPC製グレージング・テクノロジーが備わっている。

SABICはShentong社と密接に連携して、ウィンドウ・システムの開発をサポートし、生産準備に貢献した。特に、SABICは技術支援を提供し、部品の設計、プロセス・シミュレーション、装置の選定、試験、プロトタイプ作りおよびコーティングに関する専門知識をShentong社に提供した。

SABIC自動車事業部門のリーダーであるScott Fallon氏は、次のようにコメントしている。「このLEXAN樹脂を採用した独自の樹脂ウィンドウは、SGMが求める軽量化ソリューションの要件を満たしており、これが量産立ち上がりしたことを喜んでいます。また、このウィンドウの量産は、ポリカーボネート製グレージング部品を高品質で大量生産できるShentong社の新たな製造能力を証明するものと喜びを感じています。SABICは、これを実現するためのShentong社とのコラボレーションが出来たことを嬉しく思いますし、中国およびその他地域の自動車メーカーにPC製グレージングのメリットをもたらすために、将来同社と連携する更なる機会が訪れることを待ち望んでいます。」

中国国内および世界中の自動車メーカーが、電気自動車の走行距離の改善に加え、ますます厳しくなる排出ガスおよび燃費規制に対応するため、軽量化テクノロジーの導入を迫られているまさにこのとき、中国においてこの新たなPC製グレージング製造能力が確立されたことになる。

Shentong社の副工場長であるJun Luo氏は、次のようにコメントしている。「大幅な軽量化に加え、PC製グレージングによって、デザインやスタイリングの自由度、断熱性、部品の統合化など、現在ガラスで可能なことをはるかに凌ぐ革新が実現できます。当社のこの新たな製造能力への投資と、SABICのサポートと専門知識との組み合わせにより、当社は現在、自動車メーカーのPC製グレージング技術による価値実現に対して貢献し、最終的に業界での樹脂グレージング採用の拡大を迅速化できる強力な地位を獲得しました。」

新たなリア・クォーター・ウィンドウは、これまでの記録を超える1200mm×450mmのサイズとなる。これは、Shentong社の施設で、SABICの透明なLEXAN PC樹脂を透明部に、CYCOLOY™樹脂(PC/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン・ABS)樹脂を黒色部に採用する2色射出圧縮成形部品となる。

この樹脂の組み合わせによって、大型リア・クォーター・ウィンドウの部品の設計ニーズおよび厳しい寸法精度要件を満たすことができる。さらにシリコン・ハード・コートが、磨耗や耐候劣化から部品を保護する。