日本・東京 – 2016年7月7日 – トヨタの限定スポーツカー86 GRMNは、最高レベルの耐久性を提供するためにプラズマコートを施したポリカーボネート(PC)素材のリアクォーターウィンドウを採用した初の量産車です。 この車は日本限定販売で、今年1月の東京オートサロン2016に出展されました。
86 GRMNのリアクォーターウィンドウは、透明で軽量化を実現できるSABICのPC素材LEXAN™樹脂で成形されています。 このウィンドウは、従来のガラスと比較して約50%の軽量化を実現しました。
これまでも、PCにウェットコートのみをコーティングしたリアクォーターウィンドウが採用される例はありました。 車種やウィンドウの部位によっては、ウェットコートのみで耐候性と耐摩耗性の要求水準を満たすことができます。 しかし、運転者の視界を確保するためにより高いレベルの性能が必要となるケースも存在します。
トヨタは、グローバルレベルの規制で求められる水準を達成すべく、SABICのEXATEC™ プラズマ技術を採用しました。 このフレキシブルなガラスライクのコーティングは、ウィンドウの性能を向上させるためにベースのウェットコートの上に製膜されます。 この先進的なコーティングを適用することで、高い品質水準を達成することができました。
SABICは、86 GRMNウィンドウのプロジェクトに対して、素材と開発に関する専門知識を提供しました。
「この非常に特別な車両に業界初のプラズマコートリアクォーターウィンドウを導入するために、トヨタとサプライヤーをサポートできたことを誇りに思います。」とSABICの自動車事業のリーダーScott Fallonは述べました。 「現在、PCウィンドウでこのプラズマコートと同じレベルの耐久性を実現できる技術は、他にありません。 軽量で優れたスタイリングの洗練された車の開発を追求している今日の自動車メーカーに、当社が優れた価値を提供できることを示す良い例です。」
SABICのEXATECプラズマコーティング技術を用いることで、PCウィンドウが規制で定められた運転者の視認性要件を満たせるようになります。
PCウィンドウは、バックライトやサンルーフのような大きな部位で見ると重量が最大で50%削減されるため、自動車メーカーの低燃費、低エミッション達成を支援できます。
また、他のウィンドウ向け素材と比較すると、PCを用いることで新たな形状と機能の組み合わせが可能になります。 例えば、リアクォーターウィンドウは、スポイラー、ルーフピラー、エアフローセパレータ、ドアハンドルスカラップ、さらにはテールランプといった部品と統合していくことができます。
今回の86 GRMNリアクォーターウィンドウでは、トヨタは大量生産のグローバルモデルで使用可能なプラズマコート技術の評価を行いながら、耐久性に優れた軽量な部品を生産することに焦点を当てていました。
トヨタによるPCウィンドウに関する技術の評価には、プラズマコートを付与したウィンドウの製造プロセスを新たに検証する作業が含まれています。
86 GRMNのリアクォーターウィンドウで、トヨタは市販の自動車にSABICのプラズマコート技術を初めて採用しました。