SABICの強靭なLNP FARADEX™コンパウンドが、米バイオマリン社製の再呼吸装置に採用 安全性と耐久性向上に貢献

SABICの強靭なLNP FARADEX?コンパウンドが、米バイオマリン社製の再呼吸装置に採用、安全性と耐久性向上に貢献2013年1月17日 – SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、米ペンシルベニア州エクストンに拠点を置く自給式呼吸装置(SCBA)メーカーであるBiomarine社(以下バイオマリン)のリブリーザー(再呼吸装置)「BioPak 240R Revolution」に、SABICのLNP FARADEX™コンパウンドが採用されたことを明らかにした。SCBAは、非常に危険な環境で作業をする救助隊員やHAZMAT(危険物)処理員、消防員、鉱山労働者には不可欠な装備であり、バイオマリン社は、BioPak 240R Revolutionリブリーザー製品の外部ハウジングに衝撃強度の向上と静電気分散機能を求めていた。SABICは、従来のポリカーボネート(PC)ベースのコンパウンドから、LNP FARADEXコンパウンドへの代替を提案、同時に世界トップクラスの設計および成形に関する専門知識も提供した。LNP FARADEXコンパウンドは、SABIC独自のLEXAN EXL™コポリマー技術を活用し、導電性ステンレスファイバーのコンパウンドを特徴としている。結果、非常に優れた静電気分散(ESD)特性と外観を持ち、より頑強なリブリーザーハウジングを実現した。SABICは、顧客が抱える性能、品質、コスト管理などの大きな課題を解決し、市場での競争力の強化をサポートしている。今回のバイオマリン社との協働もその一例である。

バイオマリン社副社長であるJ. ダグラス・アンダーソン氏は、「これまでの材料は脆弱であることが多く、部品破損も頻繁に起きていました。また、静電気分散性能においても品質一貫性を得られないため、ロット全体を廃棄し、時間、資金と資源を無駄にしたことが何度もありました。SABICは、その専門性に基づき衝撃強度と静電気分散力の向上という2つの課題を解決しました。FARADEXコンパウンドのベースコポリマーによって、衝撃強度はPCのみの場合よりも25%強化され、静電気分散においても優れた性能向上を実現しました。SABICが提供した豊富な用途およびエンジニアリングの知識とサポートは、このプロジェクトの成功に欠かせないものでした。」とコメントした。

イノベーティブプラスチックス、ジェネラルマネージャーのデビッド・ワイルドグースは、「バイオマリン社製リブリーザーの使用者は、特に人命にかかわる状況ではなおのこと、保護と耐久性を可能にする最大級の静電気分散力と衝撃強度を求めています。今回、バイオマリン社に対しては、より頑強でより衝撃強度に優れたLEXAN EXLコポリマーをベース材料として提供しました。これは、SABICの持つコンパウンドに関する幅広い知識が貢献したもので、当社はバイオマリン社と共に旧モデルよりも安全性と性能に優れた次世代の呼吸装置を開発することができました。ポリマー科学におけるこの革新は、重要な功績です。毎日、危険極まりない環境で自らの命をかけて職務に従事される世界中の方々に、このような形でよりよい保護性を提供できることを誇りに思っています。」とコメントした。


より高い性能と一貫した品質を実現したSABICのコンパウンド

リブリーザーにとって静電気分散性能(ESD)は、プラスチックに蓄積し極めて危険なスパークの原因となる静電荷に接地経路を与える非常に重要な機能である。FARADEXコンパウンドは、ベース材料全体に導電性のステンレスファイバーを充填し、静電荷を分散する。この導電性は、表面の傷や切れ目などによって分断されること無く部品全体で機能し、一貫した保護を可能にする。ベース材料であるLEXAN EXLコポリマーは、優れた衝撃強度と低温靭性、および一般的PCグレードと比べ加工性を強化した。全てのLNP FARADEXコンパウンドは、特定有害物質使用制限(RoHS)に準拠し、非臭素化、塩素フリー、難燃性システム基づいたグレードを展開している。

LNP FARADEXコンパウンドのもう一つの特徴として、着色が可能であるため二次的な塗装を必要としない。また、本材料は電磁妨害/無線周波妨害(EMI/RFI)遮断を必要とする民生電化製品や防衛用エレクトロニクス、医療機器、産業機器、通信ハードウェア等にも最適である。

SABICはバイオマリン社に対し、FARADEX材料だけではなく広範な技術サポートとリブリーザーハウジング成形業者に対しても、ノッチやスナップ式の設計の提案、ゲートやランナーの調整、調色のサポート等を行った。

バイオマリン社、アンダーソン氏は「これまでの材料をFARADEXコンパウンドに切替えてから、静電気分散力が劇的に改善され、ステンレスファイバーの充填にバラツキが出る問題も無くなりました。材料の不良ロットや過剰廃棄についての心配がなくなり、生産性、品質、コスト管理の目標達成がより容易になりました。お客様からも非常に良いフィードバックを受けています。」とコメントした。

バイオマリン社製のBioPak 240R Revolutionは、最新式で、これまでに無い使用時間4時間を可能にし、かつ使用法が容易なリブリーザーである。一回換気(呼吸)量は6リットルで、リブリーザー製品の中では最も低い呼吸時の抵抗を特徴としている。画期的なSolid Core ScrubberR CO2洗浄設計は、CO2吸収剤の測定および補充を必要とせず、補充エラーを防ぐことができる。

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