SABIC、欧州・新防火基準の最高ハザードレベルに準拠する鉄道座席部品に向けた初の熱可塑性樹脂ソリューションを発表

SABIC、欧州・新防火基準の最高ハザードレベルに準拠する鉄道座席部品に向けた初の熱可塑性樹脂ソリューションを発表2012年9月20日 – SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、新たに「LEXAN™ FST3403ポリカーボネート(PC)コポリマー」を発表した。これは2015年に発効が予定されている新しいCEN/TS(欧州標準化委員会/技術仕様書)45445基準で示される最も厳しい防火要件を満たす鉄道座席用途に向けた初の熱可塑性樹脂ソリューションとなる。新たな欧州基準の発効に丸2年先駆けて発表された高性能LEXAN FST3403コポリマーは、特に座席背もたれのシェルやサイドカバー用途に向けて開発されたもので、CEN/TS 45445-2 R5における最高のハザードレベル評価(HL3)に適合している。LEXAN FSTコポリマーは、独立研究機関の試験によって卓越した放熱特性、煙濃度および毒性性能が認められている上、優れた外観と高い衝撃強度を備えると共に、大型部品の射出成形時において高い流動性を発揮する。今回の新製品発表は、鉄道業界のお客様のニーズに合わせたテーラーメードの熱可塑性材料ソリューションによって、進化を続ける公共安全基準に対応するSABICの取り組みを示すものである。

イノベーティブプラスチックス事業、欧州スペシャリティ・ビジネスのゼネラルマネージャーであるイルクナー・グールは「SABICは鉄道業界のお客様のために、先を見越した新素材技術の開発に注力しています。これによって、お客様は規格に準拠したシート部品の早期開発が可能となり、早期市場参入による高い競争力が獲得できます。当社のLEXAN FST3403コポリマーによって、お客様は背もたれのシェルやサイドカバーの素材に、これまで通り熱可塑性樹脂を使い続けることができます。デザインの柔軟性が損なわれ、2次加工によって潜在的な重量やコストの増加が懸念される金属や熱硬化性樹脂に切り替える必要はありません。業界をリードするこれらの技術は、新たな欧州基準への適合をより簡易なものにします。」とコメントする。
高い性能と魅力的な外観を共存

LEXAN FST3403コポリマーは、独カレンタ研究所において、背もたれとサイドカバーに向けたCEN/TS 45445-2 R5の要件に沿った試験が実施され、この結果、最も達成困難なハザードレベルであるHL3の要件に適合していることが立証されている。カレンタ研究所では、ISO 5660-1による放熱性、およびISO 5659-2による煙濃度と毒性をテストした。

さらに同樹脂は高い流動性を有しているため、背もたれのシェルなど大型部品を射出成形でき、フローマーク、転写不良やフローラインといった表面欠損の発生もない。また、PC/ABS材料で通常使われる設備で成形可能である。さらにLEXAN FST3403コポリマーは調色が可能なため、2次着色が不要となる。

LEXAN FST3403コポリマーは、LEXAN PC樹脂の特徴である高い耐衝撃性と優れた耐薬品性を有している。こうした特性は鉄道車両、バス、路面電車などの座席を損傷から保護する。

同樹脂は世界中で9月から発売される。

 

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