2012年5月8日 – SABICのイノベーティブプラスチックスは、長期にわたる顧客であるボルボ・トラックが、環境対応への新たなソリューションとして、北米のトラックで初めてPCR材（Post-Consumer recycled：使用済み製品のリサイクル素材）をアップサイクルしたValox iQ樹脂を採用したことを明らかにした。今回、使用済みのPETボトルをアップサイクルしたSABICのValox iQ*ポリブチレン・テレフタレート（PBT）樹脂が採用されたのは、2012年ボルボVN大型トラック全7モデルの側面エアーディフレクションのブラケット（取り付け部品）である。Valox iQ樹脂は、ボルボ社製トラックが厳しい走行状況においても最高の性能を発揮することに役立つだけでなく、大幅な環境性能の向上にも貢献している。このほかボルボVNトラックの環境性能向上に貢献したSABICの材料ソリューションとしては、フェンダーに採用された軽量Noryl GTX*（PPO）樹脂、フロントグリルに採用された強靭なCycoloy*（PC／ABS）樹脂、さらにヘッドランプには透明なLexan*（PC）樹脂が採用されている。ボルボとSABICが達成したこの共同成果は、環境的なメリットを提供する高性能で革新的な材料ソリューションによるものである。
Valox iQ樹脂の採用により、ボルボ・トラックはユーザーが期待する高い品質だけでなく、環境性能や高性能も実現している。SABICはアップサイクルしたPCR素材だけでなくアプリケーション開発や技術サポートも提供することで、世界をリードするトラックメーカーのデザインを具現化すると共に、環境対応についての目標達成を支援した。
イノベーティブプラスチックス事業のゼネラルマネージャーであるマイケル・ギルバートは「私たちは、高性能かつ環境面において先進的な素材をトラック生産に導入したボルボ・トラックのリーダーシップに拍手を送りたいと思います。」としており「今回、非常に緊密で効果的な協力体制を実現できたことを誇りに思います。ボルボ・トラックとの共同開発は非常に楽しいものであり、私たちにとっては、環境への影響が少ない革新的な輸送ソリューションを可能にする設計や技術、試験、加工サポートの提供に関して新たな道を開く取り組みでした。」とコメントする。
SABICのValox iQ樹脂は最高60%のPCRを含み、PBT樹脂のバージン材と比較して、CO2排出量を最大49%削減することができる。また、連続的な溶融加工によって性能が低下する他のリサイクル素材と違い、Valox iQ樹脂は従来通り生産された素材と同等もしくはそれ以上の性能を発揮できるようアップサイクルされている。この結果、Valox iQ樹脂は優れた耐衝撃性や耐薬品性および耐応力疲労性を提供する。
さらなる環境対応デザインへの多様なアプローチ
このボルボVNトラックでは、SABICの樹脂製品が様々な形で環境性能の向上に貢献できることを示している。Valox iQ樹脂のようなSABIC PCRグレードは、従来のPBT樹脂と同等もしくはそれ以上の性能を提供すると共に、使用済みプラスチックの地中廃棄の低減にも役立つ。またNoryl GTXやCycoloyといった樹脂についても、これまで金属や他の素材が用いられていた大型車両部品を代替することで大幅な軽量化を実現し、これによって燃費効率の向上に貢献する。
世界的な環境責務に対応
イノベーティブプラスチックスのマーケティングディレクターであるV.ウママヘスワランは「私たちは軽量で多用途に使用できる当社の熱可塑性樹脂が、ボルボ・トラックをはじめとするトラックメーカーを、優れた燃費効率やCO2排出量の削減といった大型トラック設計における世界的なトレンドの最先端に導くことができることを嬉しく思います。燃費効率の向上に加え、益々高まる環境責務に対する要求を満たすことは、世界中のトラックメーカーにおける大きな関心事です。当社は、広範な材料ソリューションやグローバルなネットワークを持つアプリケーション開発サポートを通じて、これら業界のお客様に対して高度なサポート能力をグローバルに提供します。」と話している。
SABICの高性能自動車ソリューションに関する詳細は、www.sabic-ip.comをご覧下さい。技術関連のお問い合わせに関してはwww.sabic-ip.com/prtechinquiryからご連絡ください。
* SABICイノベーティブプラスチックスIP BVの商標です。
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