日精樹脂工業株式会社(本社:長野県埴科郡、代表取締役社長:依田穂積)は、業界トップクラスの低床化を実現したハイブリッド式竪型射出成形機 「TWX-RⅢシリーズ」について、新たに型締力4,470kN(460トン)の大型クラス「TWX460RⅢ50BV」を開発、2025年4月から受注を開始します。
当社は、自動車や電子部品など幅広い分野におけるインサート成形に最適な竪型射出成形機について、業界トップクラスの販売実績を有し、約4割の販売シェアを誇っていますが、TWXシリーズはその中型・大型クラスをカバーしており、2019年4月に同2,110kN(220トン)の「TWX220RⅢ25V」を、2020年11月に同2,942kN(300トン)の「TWX300RⅢ36V」の受注を開始、今回のTWX460RⅢ50BVで3機種のラインナップとなりました。本機は、竪型を手掛ける国内成形機メーカーでは最大クラスの型締力となります。
本シリーズの最大の特長は機械全体の低床化を図った点で、新たに複合型締機構を開発することで機構をコンパクト化し、圧倒的な低床化を実現しました。金型取付面の高さをシリーズ全体で1,000mmに統一しており、金型取付けなどの段取替え作業やワークインサート・製品取出しの作業性が大幅に向上しているほか、自動化の取回しやメンテナンスも容易になります。
また、機械全体の高さも低く抑えられることから、成形工場の設置スペース(高さ方向)の融通性が向上するとともに、工場新設の場合、天井高さを抑えられることから設備コストを下げることが可能となります。
そのほかの特長としては、
① 均一な型締力を伝達できる直圧式型締機構を搭載。温度変化の影響を受けにくく常に設定値通りの安定した型締力を伝達できるほか、金型に優しい適正(低)型締力設定が容易です。型閉中に異物を検知する低圧金型保護性能も優れており、インサートワークずれ等による金型の破損を防止します。
② ベッド構造の最適化により自動機のフレキシブルなレイアウトが可能で、取出機や多関節・双腕ロボットなど、個々の成形品や成形工程に適した自動化システムに柔軟に対応できます。また、金型取付面の3ステージ化も容易に対応可能な設計としており、多様な生産形態に適応します。
③ 3本タイバーシャフトによるワイドなターンテーブル(テーブル径は業界最大の2,500mm)、ワイドなデイライト仕様としており、成形品の大型化(EV・HV用自動車部品におけるモジュール化等)や取り数の拡大に対応します。
④ ターンテーブルやエジェクタ動作はサーボモータ駆動とし、サイクル短縮を図るとともに、スムーズな機械動作と優れた回転停止精度を実現しており、これによりインサート成形時のワークのズレなどを防止できます。
⑤ 当社独自のハイブリッドポンプシステム「Xポンプ」を搭載・・・2容量切換ポンプをサーボモータで駆動させるハイブリッドポンプで、サーボモータが必要な時に必要な回転速度で動作するため、省エネ性に優れ、電気式成形機とほぼ同等の消費電力を実現。作動油量も従来ポンプシステムより低減可能です。
⑥ 当社独自の低圧成形システム「N‐SAPLI」(推奨オプション)により、型締力の大幅なダウンサイジングや樹脂溶融時に発生するガスに起因する成形不良等を改善できます。
本機に搭載されているコントローラ「TACTⅣ」の特長としては、
(1) 15インチカラー液晶のタッチパネル画面。上下の2画面表示により、視認性や操作性が大幅に向上。
(2) 稼動履歴や成形モニタデータによるトレーサビリティを容易にしたことで、品質・生産管理機能が向上しているほか、充実したメンテナンス機能を搭載。
(3) 6ヶ国語表示を標準装備(日・英・中・西・韓・タイ)。
(4) LANおよびUSBコネクタを標準装備。
「TWX460RⅢ50BV」の標準本体価格は、8,760万円(消費税別)。年間20台の受注を見込んでいます。