2016年4月27日 – 日精樹脂工業㈱（社長・依田穂積、本社・長野県埴科郡坂城町）は、主力機種である電気式射出成形機「NEXシリーズ」において、最新機種「NEX-Ⅳシリーズ」を開発、5月から中型クラス4機種の受注を開始します。
5月から受注を開始する中型クラスは、型締力1765kN（180トン）の「NEX180Ⅳ」、同2160kN（220トン）の「NEX220Ⅳ」、同2740kN（280トン）の「NEX280Ⅳ」、同3530kN（360トン）の「NEX360Ⅳ」の4機種です
NEXシリーズは、2003年の販売開始以来、累計約1万6,000台の販売を記録する当社の主力機種で、今回開発した「NEX-Ⅳ」は、NEXシリーズの第4世代にあたり、2012年1月から販売を開始し、高い評価を得ている現行シリーズ「NEX-Ⅲ」の後継機種となります。
専業メーカーとして、これまで電気式成形機の技術開発で培ってきた、安定可塑化と高精度計量を実現する射出機構、直圧的トグルで安定かつ均一な型締力を伝達するフラットクランプ型締機構などの優れた性能は継承しつつ、基本性能の向上を実現しました。
【NEX-Ⅳシリーズの性能・機能向上のポイント】
1）より速く。より精密に。
トグル機構の新設計により、型開閉サイクル時間を従来機比5～20％短縮しており生産性の向上に貢献します。また、従来から信頼性が高い「フラットクランプ型締機構」をさらに進化させ、面圧の均一性とねじれに強い構造としたことに加え、型締盤スライド部にリニアガイドを標準装備したことで型締直進精度が向上しており、バリなどの成形不良を防ぎ再現性に優れた精密安定成形を実現します。また、金型や型締機構の長寿命化にも寄与します。
その他、耐摩耗性に優れたトグル機構とリニアガイドの採用により、グリスの煩わしさを低減。クリーン度が向上しており、容器や医療業界からのクリーンルーム対応ニーズにも、より威力を発揮します。
2）小さな機械。大きな金型。
機械全長は業界最小クラスを維持しつつ、業界トップクラスのワイドプラテン（従来機との面積比で最大16％ワイド化）とし、また、デーライトを100mm延長したことにより型厚範囲を大幅アップ（従来機比で最大約1．6倍に拡大）し、近年、複合一体化ニーズや製品形状の複雑化によって大型化している金型やホットランナ金型、長尺成形品の金型等にもフレキシブルに対応します。また、低圧成形との組み合わせにより、従来使用している金型に対して、1クラス下の型締力の成形機を選択することも可能となります。
その他、NEX-Ⅳシリーズの特長としては、
3）低イナーシャサーボモータの採用と当社独自の射出機構および制御により射出の高速・高応答・高圧化と加熱筒温度制御の最適化を図ることで、射出・可塑化の高精度化と成形領域の拡大を実現。
4）高精度計量制御「プレパックⅡ」により計量密度や射出体積を常に一定にすることで、粉砕材使用時や材料のロット間にバラツキがある場合でも歩留まりの向上を実現。
5）ハイサイクル特性などトグル機構のメリットを活かしながら、直圧式機構に近い特性を満たした「直圧的トグル」を実現。この機能として、自動運転中に金型などの温度上昇によって変化した型締力を自動的に補正する「型締力自動補正」機能（今回、クランプシャフトの伸びを直接検出することで自動補正の精度が格段に向上）や、自動運転中でも型締力の変更を可能とした「ダイレクト型締力設定」機能を標準装備。
6）最上位の高機能コントローラ「TACTⅣ」に新機能を搭載。
①必要な成形情報を15インチ大型画面に一括表示し、条件管理が簡単に。
②各工程を色別チャート表示し、サイクル短縮をサポートする機能を搭載。
③多段パージ搭載により、材料替え条件の最適化が可能に。パージ樹脂量・時間の低減を実現。
④品質・生産管理機能、メンテナンス機能の操作性が向上。
⑤型開閉応答速度選択機能（高速・標準・低速）の搭載により、ハイサイクル成形等に合わせた選択が可能に。NEX180Ⅳで「高速」選択時、型開閉速度12％向上（従来機比）。
成形設備のダウンサイジング化を提唱する当社は、そのパイオニアとして、今回開発した新NEXシリーズの市場投入に合わせ、更なる成形ノウハウを追求するとともに、顧客への成形トータルサポートを強化していきます。
標準本体価格は、消費税別で、型締力1765kNの「NEX180Ⅳ-25E」の1,410万円から同3530kNの「NEX360Ⅳ-100LE」の2,340万円まで。
今回の4機種で年間約200台の販売を見込んでいます。
写真は、NEX360Ⅳ-100LE
［日精樹脂工業広報］
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担当：経営企画部 小井土
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本社：長野県埴科郡坂城町南条2110