専門家、自動車メーカーと政府機関が実施した多数の試験・安全性評価結果を基にした欧州委員会共同研究センターによる最新の研究結果
HFO-1234yfの自動車用途における冷媒使用時の安全性と欧州MAC(自動車用エアコン)指令準拠に関する最終決定
[東京] 2014年3月13日 – ハネウェル(NYSE: HON)は、従来製品と比べ大幅にGWP(地球温暖化係数)が低い同社の新たなカーエアコン用冷媒「HFO-1234yf」について、欧州委員会(EC)の最高科学技術機関が詳細かつ包括的な評価を実施した結果、同冷媒の自動車用途における安全性が確認されたことを明らかにしました。
ECは2014年3月7日付の発表(http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-14-168_en.htm)において、EC共同研究センター(Joint Research Centre:JRC)が実施した広範な評価に基づき、「私たちは本日発行した学術的レビューの中で、R1234yf冷媒使用に関する安全性調査について、カーエアコンシステムにおいて本冷媒を通常および予測可能な使用状況下で使用しても、重大なリスクをもたらす確証が得られなかったと結論づけました。本レビューは、先にドイツ連邦自動車局(KBA)が示した『R1234yf冷媒の使用に際して、関係当局の介入を要する重大なリスク発生を懸念する傍証は無い』という声明を強く支持するものです。」と述べています。
今回のECによる発表の基となったJRCの報告書(http://ec.europa.eu/enterprise/sectors/automotive/environment/macs/index_en.htm)は、同じく3月7日に発表され、17ページにわたって主要自動車メーカー各社、世界有数の自動車工学団体であるSAEインターナショナル、そして独立評価機関による詳細な試験結果を3ヶ月間にわたり検証・評価した結果を示しています。JRCは独立機関として、ECに対し科学技術に関する助言や政策立案など幅広い支援を行っています。またJRCが監督する多様な研究機能を完備した欧州の7つの科学研究所では、幅広い研究や調査が行われています。
ハネウェル、フッ素製品担当副社長 兼 ゼネラルマネージャーのケン・ゲイヤーは、「JRCによって作成されたこの信頼できる確かな報告書は、自動車用途でのHFO-1234yf使用に対する懸念を払拭するものです。新たな環境規制に適合する当社の冷媒は、欧州をはじめとする世界の自動車メーカーで積極的な採用が進んでいます。これに伴い当社では、十分な供給を確保するため、生産能力の拡大に関する投資を進めています。」とコメントしています。
HFO-1234yfは高効率かつ安全な製品であり、現在カーエアコン用冷媒として用いられているHFC-134aの効果的な代替品として、既に自動車産業で幅広く採用されています。HFO-1234yfは、現在50万台以上の車両で安全に使用されており、同冷媒を使用する車両数は2014年末までに200万台以上に増加すると予測されています。第三者機関のデータでは、世界的にHFO-1234yfの採用が進展することで、温室効果ガスの削減効果が自動車3千万台分以上(全世界の車両数の3%相当)になるとしています。
自動車メーカーがHFO-1234yfを採用する背景には、欧州連合(EU)のMAC指令に適合する目的もあります。この指令は、乗用車や小型商用車のエアコンシステムにおける温室効果ガスの排出削減を目的に制定されたものです。また先月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、HFO-1234yfのGWP値について、二酸化炭素よりも低い1未満であるとの見解を示しました。この値は、GWP値1,300という非常に高レベルの温室効果ガスを発生するHFC-134aと比べて、99.9%低いものです。一方、JRCは欧州事業総合理事会の要請を受け、HFO-1234yfの安全性を最終判断するために、これまで同冷媒に実施された詳細な試験結果の再評価に関する協議を2013年10月に開始しました。
HFO-1234yfの安全性については、2012年後半にダイムラーによって、本冷媒が微燃性であることから由来する安全性への疑問が提起されました。これに対し、昨年、世界有数の自動車工業団体であり世界有数の自動車メーカー技術者で構成されるSAEインターナショナルは、広範かつ詳細な評価の結果、本冷媒が安全であるとの結論を下しています。この結論は、SAE共同研究プロジェクトに参画している世界的な大手自動車メーカー10社:フィアットクライスラー、フォード、ゼネラルモーターズ、ホンダ、ヒュンダイ、ジャガーランドローバー、マツダ、PSA、ルノー、トヨタからも支持を受けています。またSAEは報告書の中で、ダイムラーが本冷媒に対して実施した試験について、現実的なものではない、としています。
2013年10月に始まったJRCの協議には、SAEの代表者や世界的自動車メーカー数社の専門家が参加し、複数のSAE共同研究プログラムで実施された試験結果に加えて、KBAが実施した最新の試験結果についての再評価が行われました。その際KBAが新たに実施した試験において、HFO-1234yfが重大なリスクを生じるものではないことが証明されました。この結果、ドイツ製品安全法に基づく追及は行われませんでした。
SAEインターナショナルは、これまでSAE(米国自動車技術者協会)として知られてきた、航空宇宙・自動車・商用車産業および関連技術に携わる133,000名以上のエンジニアや技術専門家で構成される独立した世界的な協会組織です。
詳しくは、当社ウェブサイト www.1234facts.com/resources (英語)をご覧ください。
ハネウェルインターナショナル(www.honeywell.com)は、フォーチュン(Fortune)100社にノミネートされた、テクノロジーおよび製造分野におけるトップレベルの複合企業であり、航空宇宙分野の製品およびサービス、ビル/住宅/産業用の制御テクノロジー、ターボチャージャー、パフォーマンスマテリアルズなどを世界中のお客様に提供しています。米ニュージャージー州モリスタウンシップに拠点を置くハネウェルの株式は、ニューヨーク、ロンドン、およびシカゴ証券取引所で取り引きされています。ハネウェルのニュース・詳しい情報は、www.honeywellnow.com をご覧ください。
本プレスリリースには、1934年米国証券取引法第21E項が意味するところの「将来の見通しに関する記述」が含まれています。当社または当社の経営管理者が将来の発生または発生する可能性を意図、予想、予測、確信、または期待する活動、事象、または発展について述べた、過去の事実以外の記述はすべて、将来の見通しに関する記述です。これらの記述は、過去の経験と傾向、現在の経済状況、期待される将来の発展とその他の関連要因を考慮した経営管理者の仮定および予想に基づくものです。本リリースに含まれる将来の見通しに関する記述は、当社の経営、製品、サービス、および価格に影響する経済、競争、政府、および技術的要因を含む(がこれに限定しない)リスクや不確実性にも左右されるものであり、このような将来の見通しに関する記述は、将来の業績、実際の結果、発展業務遂行上の決定を保証するものではなく、当社の将来の見通しに関する記述によって予想された内容とは異なる場合があります。当社業績に影響を与える主要なリスクや不確実性については、当社Form 10-Kおよび米国証券取引委員会提出文書に記載しています。