mWsaver™テクノロジ採用のソリューション、 他の方式では必要とされる追加部品無しで、2013年 ErP基準を満足
2011年8月4日 – オールインワンPCの電源設計に携わるエンジニアは、スペースの制約がある中、デザインを簡素化すると同時に世界のエネルギー基準を満たすソリューションの実現という課題と直面しています。
高性能パワー半導体とモバイル向け半導体製品で世界をリードするフェアチャイルドセミコンダクタージャパン㈱(本社:東京都渋谷区、社長:雨宮隆久)は、この課題に応えるためmWSaver™ テクノロジを採用したデュアルスイッチ・フライバック・ソリューションを発表しました。
伝統的にオールインワンPC用電源としては、LLC共振と疑似共振フライバック方式が挙げられます。設計の容易さ、異なる負荷時における電力損失、さらに効率に関してバランスを考慮した時、これらの方式にはそれぞれ一長一短があります。オールインワンPC製品の電力範囲では、LLC共振がデュアルスイッチ、シングルスイッチいずれの疑似共振フライバックに比べ、全体的な効率では優れていますが、LLC共振トランスは設計が難しく、軽負荷時の電力損失ではこれら3方式の中で最も大きい結果となります。一方、シングルスイッチ疑似共振フライバック方式は、総合的には最も効率が低くなりますが、設計が容易で軽負荷時の電力損失が少ないという特徴があります。
フェアチャイルドのデュアルスイッチ疑似共振フライバック方式は二次側同期整流と組み合わせると、軽負荷時の電力損失が改善され全体的に高効率になり、しかも設計が容易である為オールインワンPCにとって理想的なソリューションになります。
フェアチャイルドのオールインワンPCに向けたソリューションは、臨界モードPFCと疑似共振電流モードPWMコントローラを集積したFAN6920MR、ゲートドライバのFAN7382、フライバック及びフォワードコンバータ用二次側同期整流コントローラFAN6204で構成され、75W~230Wのアプリケーションに対し最適な電源回路方式を提供します。これらのデバイスの組み合わせにより、業界トップクラスの無負荷時及び軽負荷時低電力損失が実現し、LLC共振方式では必要となる追加部品無しで、2013年 ErP基準を満足するデザインを可能にします。
さらに、mWSaver™ テクノロジを採用したことで、これらのデバイスはオールインワンPC向けソリューションで最小の待機電力を提供します。デュアルスイッチ疑似共振制御方式は、スナバ回路及び漏れインダクタンスによる電力損失を低減すると同時に、発熱問題も改善します。また、同期整流用MOSFET のVdsを低くすることが可能になり、効率の改善、基板サイズの小型化にも寄与します。PFC出力は、ハイ/ロー両レベルのACラインに対応している為、ローラインでの効率が改善されます。
ハイサイド/ローサイド用ゲートドライバFAN7382を加えることで、600Vまでの高耐圧MOSFETがドライブ可能になり、このソリューションが完成します。このデバイスは高dv/dtのノイズ環境の中でハイサイド側のゲートドライブ動作を安定に行います。
FAN6920MRは、力率改善(PFC)コントローラと、疑似共振PWMコントローラを一体化し、少ない外部部品でコストパフォーマンスに優れたデザインを実現します。PFCは、オンタイム制御方式を採用し安定したDC出力電圧と、歪を抑えた力率改善を可能にしています。また、新規の歪率補正回路を採用し、ゼロクロス時の入力電流歪を低減しています。FAN6920MRのPWMコントローラ部は、スイッチング周波数の低下に伴い12サイクルまで対応する拡張バレー検出機能、軽負荷時の効率改善、グリーンモード動作、10mS ソフトスタート回路、ハイライン/ローライン・オーバーパワー補正回路等、システム全体の性能を向上させる機能が搭載されています。
FAN6204は、独自に開発した線形予測タイミング・コントロール技術を採用することにより、同期整流用フェアチャイルド・パワートレンチMOSFETのオン抵抗値に制限されることなく、固定周波数または疑似共振フライバック・コンバータ、また、連続モード動作(CCM)及び不連続モード動作(DCM)にも適応するデバイスです。この技術は簡潔な制御方式から成り、電流センス回路を持たない為、ノイズの影響を受けにくいという利点があります。PWM周波数トラッキングおよび二次巻線電圧検出回路によって、このデバイスは固定または変動周波数どちらのシステムにおいても動作可能で、フライバック、フォワードいずれのコンバータ方式にも対応します。また、FAN6204はグリーンモード動作時の消費電流が非常に低く(1.1mA typ)、このグリーンモード機能により無負荷時の低消費電力、軽負荷時の高効率をそれぞれ実現しています。
FAN7382は、フェアチャイルドのスーパージャンクションMOSFET であるSupreMOS®、SuperFET®をドライブすることが可能なゲートドライバです。600V高耐圧プロセスを採用し、コモンモードノイズ・キャンセル技術により高いdv/dtノイズの環境でも安定に動作します。先進のレベルシフト回路により、VBS = 15Vの時、VS = -9.8 V(typ.)までのネガティブ・スイングに対しても、ハイサイド側のゲートドライブ動作を可能にしています。入力レベルは、標準TTLロジックと互換性があり、VCC 及びVBSが規格値に満たない場合、ハイ/ロー両サイドに対し低電圧誤動作保護回路(UVLO)が動作し、誤動作を防ぎます。
フェアチャイルドセミコンダクターは、進んだシリコン技術とパッケージオプションを活かし、より小型で高性能な製品を提供することにより、お客様の革新的デザインの実現に寄与します。mWSaver™ テクノロジを採用したオールインワンPC向けデュアルスイッチ疑似共振フライバック方式は、パワーセーブと特性の両面で今日の設計者が求める厳しい要求を満たします。
価格:
FAN6920MR 1.20ドル(1,000個購入時)
FAN6204 0.57ドル(1,000個購入時)
FAN7382 0.83ドル(1,000個購入時)
入手性:
サンプル出荷中
量産納期:
8-10週間
製品の各種資料はこちらをご参照ください。
データシート:
http://www.fairchildsemi.com/ds/FA/FAN6920MR.pdf
http://www.fairchildsemi.com/ds/FA/FAN6204.pdf
http://www.fairchildsemi.com/ds/FA/FAN7382.pdf