- •BASF社は、ベルギー・アントワープのアンモニア工場向けにクラリアントの新しいアンモニア合成触媒AmoMax 10 Plusを選択。これは米国テキサス州フリーポートにある前世代の触媒での優れた成果に基づくもの。
- AmoMax 10 Plusの最初の採用事例で、卓越かつ安定した性能を実証
- 新しいAmoMax 10 Plus触媒は活性の高さによって、アンモニア生産量を向上し、エネルギーとCO2排出量を削減
独ミュンヘン、2021年11月30日 – クラリアントは、同社の新しいアンモニア合成触媒「AmoMax 10 Plus」が、ベルギー・アントワープにあるBASF社のアンモニア工場に採用されたことを明らかにしました。クラリアント独自のActiSafE™テクノロジー(アンモニア合成触媒活性化時の水蒸気生成とアンモニア濃度を安全で効率良く正確に測定する技術)によって、触媒の還元処理が迅速かつ安全に達成されました。
ハーバー・ボッシュ法(代表的なアンモニア合成法)を発明したBASF社は、以前に、米国テキサス州フリーポートのBASF/Yara共同生産工場でクラリアントの前世代の触媒であるAmoMax 10を採用していました。BASF社は、この触媒の非常に良好な性能に基づいて、再びクラリアントの触媒を使用することを決めました。今回は、活性、安定性、起動速度が大幅に向上した新たなAmoMax 10 Plusを選択しました。AmoMax 10 Plusは、前世代の触媒と比べ、より低い圧力(最大10バール)およびより低いリサイクル率(リアクター出口で最大1%強のアンモニア)で運用できるため、エネルギー使用量およびCO2排出量の削減が可能です。
クラリアント触媒のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるステファン・ホイザー(Stefan Heuser)は、「私たちはアンモニア合成触媒分野におけるリーディングカンパニーの1社として、常にお客様の効率、安全性、経済性を向上させるソリューションを追求しています。AmoMax 10 Plusは、こうした取り組みにおける好例です。当社の革新的な触媒の最初の商用の採用事例としてBASF社が名乗り出てくれたことを光栄に思うとともに、AmoMax 10 Plusのさらなるメリットが実証されることを楽しみにしています。」と話しています。
AmoMax 10 Plusは、クラリアントの最新世代となるウスタイトベースのアンモニア合成触媒です。この触媒は、業界で実績のあるAmoMax 10をベースに、反応メカニズムの深い理解に基づき、さらに改良を施したプロモーターを用いて設計されています。こうした最適化によって、触媒の活性および安定性を向上させるとともに、より高速な起動を実現しています。また、AmoMax 10 Plusの卓越した活性は、より低い運転圧力で、より高い転化率での運転を可能にします。その結果、アンモニア生産量の増加(最大3%)およびエネルギー消費量とCO2排出量の削減を達成します。
AmoMax 10 Plusは、標準的なアンモニア合成触媒と比べて大幅な省エネを可能にし、触媒の一般的な寿命期間とされている15年の間に、2,000 mtpd規模のアンモニア工場において最大125,000トンのCO2排出量削減が見込まれています。これは1年間で車1,600台以上のCO2排出量*に相当します。
*https://www.epa.gov/energy/greenhouse-gas-equivalencies-calculator