SABICイノベーティブプラスチックス、電気自動車(EV)の航続距離延長と排出ガス低減に Lexan* PC樹脂グレージングの重要性を裏付ける調査結果を発表

計算流体力学モデリングによるガラス製およびLexan* PC製樹脂ガラスを使用したHVAC負荷のシミュレーション2011年4月11日 – SABICイノベー ティブプラスチックスは、Lexan*ポリカーボネート(PC)製樹脂グレージング(窓材)のメリットに関する、非常に説得力のある新たな調査結果を発表した。Lexan PC自動車用グレージングは軽量化技術の一つとして既に確立されており、これにより低燃費と二酸化炭素排出量の削減を実現することができる。今回はガラスと比較して大幅に低いPC樹脂の熱伝導率に基づいて、Lexan PCグレージングの断熱性に関する先進的なコンピュータ解析により、暖房、換気、空調(HVAC)システムの負荷を低減できる可能性を定量化することができた。この新しい調査結果によって、従来の車やハイブリッドカー、電気自動車のエネルギー効率の改善に果たすLexan PCグレージングの価値が裏付けられたことになる。この調査は、SABICイノベーティブプラスチックスの自動車用グレージング専門の子会社であるExatec*, LLCの研究開発チームによって実施された。

SABICイノベーティブプラスチックスのドミニク・マクマーン自動車製品マーケティング担当ゼネラルマネージャー兼Exatec最高経営責任者(CEO)は次のようにコメントする。「この新しい調査により、Lexan PCグレージングについてすでによく知られている軽量化やスタイリングの柔軟性に加え、その全く新しい価値を自動車業界に示すことができました。この調査結果の重要性は、自動車メーカーがLexan PCグレージングの製品ポートフォリオにより、電気自動車の航続距離の延長や、空調や暖房システムの効率向上などの恩恵を新たに考慮できるようになったことです。今回の調査結果はLexan樹脂の本来的な性能に関するもので、赤外線吸収タイプのLexan樹脂が太陽光エネルギーを吸収する能力に加えて、車内の熱負荷を更に低減するために活用することができます。」


HVAC負荷と排ガスの低減

Lexan PC樹脂の断熱特性は、暖房および空調システムの負荷を軽減することができる。SABICイノベーティブプラスチックスのExatecチームは、1台はPCリアウィンドウとサンルーフを装備したもの、もう1台はガラス製のリアウィンドウとサンルーフを装備した2台の車で計算流体力学(CFD)シミュレーションを行った。このシミュレーションは、車の静止状態および走行状態の両方を想定し、高温および低温両方の気候条件について実施された。

その結果、PCグレージングは強化ガラスに比べて本来的に熱伝導率が低いため、車の内部と外部の間の定常状態での総伝熱量を減らすことができる。この効果によって、従来の車およびハイブリッドカーの排出ガス量を減らし、ハイブリッドと電気自動車のバッテリー走行距離を延長させることが期待される。

Exatecのスティーブン・シューラー最高技術責任者は次のように述べる。「これはPCグレージングについて考える際に、新たな視点を与えるものです。ガラスの代わりに断熱性の高いLexan PCグレージングを使用することで、高温および低温の気候条件、そして日中および夜間の走行中の空調および暖房システムの負荷を軽減することができます。例えば、当社のコンピュータシミュレーションでは、負荷を軽減することで走行1キロあたりの二酸化炭素排出量を3グラム減らし、電気自動車のバッテリー走行距離を2~3パーセント伸ばすことができます。これはすでに広く認知されている、軽量のPCグレージングが車の燃費向上に貢献する効果に加えて考慮することができます。」


Lexan PC IR吸収グレードは空調の負荷をさらに軽減

SABICイノベーティブプラスチックスの研究開発により、赤外線(IR)エネルギー吸収性能を備えた新しいLexan PC樹脂製品シリーズが開発された。すでに商品化されているこれらの製品は、車内に侵入する太陽熱エネルギーを減らすように処方されている。太陽エネルギーを吸収することで、これらのLexan製品は空調システムの負荷を軽減し、燃費向上と排出ガス削減に貢献する。

Exatecコーティングを施したSABICイノベーティブプラスチックスのLexan樹脂製品の詳細については、www.sabic-ip.comまたはwww.exatec.deのサイトをご覧下さい。製品の技術関連のお問い合わせに関しては、次のサイトからご連絡ください。www.sabic-ip.com/prtechinquiry

* SABICイノベーティブプラスチックスIP BVの商標です。