- 自己発電型の無線通信向け928MHz帯対応モジュールと開発キットをラインアップ
- ホワイトラベルOEM最終製品の提供により、市場投入までの期間短縮に寄与
[独オーバーハヒング/ミュンヘン、日本長野] 2014年4月15日 – エネルギーハーベスティング(環境発電)を用いた無線通信技術のパイオニアであるEnOcean(エンオーシャン)は、日本市場を対象とした自己発電型無線モジュールの新製品群を発表しました。本新製品群はライセンスフリーの928MHz周波数帯を使用しており、ビルや住宅、産業分野における各種オートメーション、ヘルスケア機器、構造ヘルスモニタリング(SHM)といった用途において、バッテリーを用いることなく信頼性の高い無線通信を実現します。このたび同社では、新製品として、928MHz周波数帯対応スイッチ、センサモジュール、トランシーバモジュール、開発キットをラインアップしており、完成品メーカーに対してはホワイトラベル最終製品としてOEM供給を行うことから、各メーカーにおいては製品開発から市場投入までの期間を短縮することができます。
EnOceanはエネルギーハーベスティングを利用した無線ソリューションのグローバルリーダーです。同社の無線モジュールは、エネルギーハーベスタ(発電素子)を用いて、振動や光および温度差からエネルギーを取得します。これにより、無線機器はバッテリーレスでの稼働が可能になると共に、無線機器の高い信頼性を維持する上でのメンテナンスも不要となります。今回EnOceanが発表した928MHz帯シリーズ製品は、同社ポートフォリオにおいて4番目となる製品群であり、エネルギーハーベスティングを用いた無線ソリューションにおける同社の世界市場での位置を強化し、また同無線ソリューションの世界的な普及を促進するものです。
928MHz帯はサブ1GHz周波数帯に属し、優れた性能、電波領域の効果的な利用、電波干渉への強い耐性を特徴としています。エネルギーハーベスティング無線928MHzセンサの通信距離は、屋外ではおよそ300m、屋内では最大30mです。928MHz帯は日本国内における法規制および用途要件を満たしています。
EnOcean GmbH、日本担当セールスマネージャーの板垣一美は、「日本市場ではエネルギーハーベスティング無線ソリューションに対する需要が非常に高まっています。メンテナンス不要で柔軟性に富んだ当社の技術は、日本経済および社会の発展に貢献するものと考えています。」としており、加えて「本技術は、ビルや産業におけるエネルギー効率の測定から、高齢化社会で求められる介助システム、住宅の安全性や快適性の向上、様々なモニタリング用途まで幅広い分野に適用が可能です。そしてバッテリーレスのソリューションは、これらすべての用途において、必要データや制御情報の提供に貢献します。」とコメントしています。
ホワイトラベルOEM最終製品の提供
928MHz帯製品はモジュール製品での提供に加え、928MHz帯ホワイトラベル最終製品のOEM供給も利用可能です。これにより同社は、EnOceanの技術を用いて日本市場向けに製品を開発するOEMメーカーに対して、製品開発期間の大幅な短縮、開発コストの低減、エネルギーハーベスティング無線技術の導入が進む日本市場への迅速な市場参入といったメリットを提供します。OEMメーカーは自社開発を行う代わりに、EnOceanのホワイトラベル製品を自社製品として製品展開できます。
ホワイトラベル製品には、EnOceanのエネルギーハーベスティング無線技術を用いた人感センサ、窓センサ、および照明用スイッチが取り揃えられています。
928MHz帯製品群
新しい928MHz帯モジュールは、EnOceanの既存製品群である868MHz帯、315MHz帯、および902MHz帯モジュール製品に追加してラインアップされるもので、同社ASICチッププラットフォームの次期バージョンであるDolphin V4の利点を活用することができます。928MHz帯シリーズには以下の製品が含まれます。
- 自己発電型無線スイッチモジュール(PTM 210J)
- 特殊スイッチ用途向けトランスミッタモジュール(PTM 430J、ECO 200エネルギーハーベスタと共に使用)
- 自己発電型無線センサモジュール(STM 400J)
- 太陽光発電型マグネットコンタクトトランスミッタモジュール(STM 429J)
- 太陽光発電型温度センサモジュール(STM 431J)
- ゲートウェイ用トランシーバモジュール(TCM 410J)
- USBゲートウェイ(USB 400J)
これらのモジュールシリーズ製品は、EnOceanの「ESK 400Jスターターキット」、「EDK 400J開発キット」、「ソフトウェアDolphinSuite V4」を用いることで、Dolphin V4モジュールの容易な設定と迅速なプログラミングが可能となります。