SABIC、CHARGE AMPS社と協業し、再生可能LEXAN™ポリカーボネート樹脂を用いた電気自動車の充電器ハウジングによって二酸化炭素排出量を削減

2024年9月9日、日本・東京 – 化学業界のグローバル・リーダーであるSABICは、スウェーデンのEV充電器メーカーであるCharge Amps(チャージアンプ)社が、電気自動車(EV)充電器のハウジング素材にSABICの認定取得済み再生可能ポリカーボネート(PC)[1]を採用したことを明らかにした。

SABIC_CHARGE AMPS社が再生可能LEXANポリカーボネート樹脂を用いたEV充電器ハウジングに採用SABICは、認定取得済み再生可能グレードのLEXAN™(レキサン)PCをCharge Amps社に供給し、循環型バイオエコノミーの発展と気候変動問題の緩和を目指す同社の取り組みを支援している。この再生可能PCはSABICが取り組みを進める循環型ソリューションTRUCIRCLE™ポートフォリオの一つであり、食物連鎖と直接競合しない第二世代のバイオ原料を使用して製造されている。この新しいプロセスは製造時や設置時におけるCO2排出量の削減に寄与し、EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment、電気自動車給電装置)の規制にも完全適合している。

EVは、世界中の政府や企業が取り組みを進める脱炭素化戦略にとって不可欠な要素であり、二酸化炭素排出量の削減に向けた内燃機関の代替手段として現実的な選択肢となっている。加えて、充電設備の利用可能性は、EV転換の進展において重要な要素の1つと認識されている。

Charge Amps社のEV充電ステーションであるCharge Amps Dawnは、1つのソケットあたり22 kWの充電能力を持ち、MID(Measuring Instruments Directive、計量器指令)認定メーターと4G接続を備えた最新の製品である。Charge Amps Dawnのシャシーには、SABICのISCC PLUS認定バイオベースの再生可能素材が50%含まれている。生産チェーン全体を通じて持続可能性に重点を置く北欧メーカーとの協業は、電動化・低炭素化の加速を目的にSABICが推進するBLUEHERO™イニシアチブの一環として、世界の電化シフト加速を支援するSABICの取り組みを示す好例である。

SABICで建築・建設部門ディレクターを務めるMajed Al-Saadanは「SABICの建築・建設部門では、厳選されたプラスチック・ソリューションを提供しています。これらのプラスチック製品は安全性、信頼性の面でEVサポート機器の製造に関する厳格な業界基準を満たすことができるとともに、製造効率および既存ソリューションと比べた美観の向上にも寄与します。私たちはCharge Amps社との協力のもと、生産段階から二酸化炭素排出量を削減することで、世界の電化シフトを支援してまいります」と話している。

Charge Amps社で機械設計部門マネージャーを務めるJonas Hellström氏は「デザイン、イノベーション、サステナビリティは、Charge Amps社にとって非常に重要な優先事項です。SABICの再生可能原料をベースとした生物由来プラスチックによって、二酸化炭素排出量の削減とCharge Amps社が誇る高級感あふれる外装デザインを両立させることができました。私たちは常にテクノロジーの最先端に立てるよう努めています。今回のSABICとの戦略的パートナーシップは、EV充電エコシステムにおいて責任ある企業になるための必然的なステップです」とコメントしている。

SABICの再生可能グレードによって、EV充電器メーカーは持続可能性の向上に加えて、機能統合と設計自由度の向上というメリットも享受できる。たとえば、インナーパネル、屋内キャビネットやコンソールは難燃性(FR)PCから製造することができ、寸法安定性、高い耐衝撃性、仕上げの美しさを実現できる。さらに、薄肉で難燃性を実現できるため、単に金属を置き換えるよりも軽量化が可能となり、追加コンポーネントの設置スペースの確保も可能となる。

LEXAN PCは耐久性と耐候性に優れており、製造コストを大幅に削減することができる。充電器メーカーは、高速で量産が可能な射出成形を使用することで製造プロセスの簡素化が可能となり、金属素材を用いた場合に通常必要となる二次加工が不要となる。


[1] 認定取得済みの再生可能ポリカーボネートはISCC PLUS認証制度に基づいて認定されており、これは事前に定義された透明性のあるルールに従い、マスバランス方式による会計システムによって、原料から最終製品までの複雑なサプライチェーンにおけるマテリアルフローを追跡して認証される。また、このルールによって、製品が再生可能もしくは循環型に分類できるかが決定される。SABICの場合、化石ベースの原料に代えて、再生可能または循環型の原料1トンを生産プロセスに投入すると、生成された材料の約1トン分が再生可能または循環型として分類されることになる。また、マスバランス手法を適用することで、OEMメーカーは、これらの認証材料を採用した製品の持続可能性を文書化および数値化することができる。

CHARGE AMPS(チャージアンプ)社について
Charge Amps社は、電気自動車に向けた革新的で持続可能な充電ソリューションを提供するスウェーデンのリーディングカンパニーであり、家庭やオフィス、公共の場で使用するスマートで使いやすい製品の開発に取り組んでいる。2012年にスウェーデンのストックホルムで設立されたCharge Amps社は、現在、国際的に急拡大を続けており、世界7か国に120名の従業員を擁し、15の市場で販売を行っている。詳細は、www.chargeamps.com を参照。