日本・東京、2022年11月30日 – 化学業界のグローバルリーダーであるSABICは本日、ダブルデータレート(DDR)メモリ集積回路(IC)のストレステストに使用されるバーンインテストソケット(BiTS)の厳しい要求に対応可能な新しい特殊材料「LNP™ KONDUIT™ 8TF36E」コンパウンドを発表した。DDR ICではピン数の増加やテスト温度の上昇、小型化が進んでいることから、BiTSコンポーネントに使用される素材にはより高度な特性が求められている。SABICの新しいコンパウンドは、複雑で微細なBiTS設計を可能にする非常に高い流動性に加え、テスト中におけるBiTSの性能を高める優れた寸法安定性と高耐熱性、テスト後の熱を素早く放散する高い熱伝導性を備えている。
SABICのLNP KONDUIT 8TF36Eコンパウンドは、熱伝導性フィラーを充填したナイロンなどの現行素材と比べ、より高い流動性と優れた寸法安定性を発揮する。この新しい素材の使用によって、これまで対応が難しかったさまざまな課題に対処することができる。
SABICのLNP & NORYLビジネス・マネジメント・ディレクターであるJoshua Chiawは、「DDRメモリICはモバイル機器やPCだけでなく、車載機器やクラウドコンピューティングシステムといった、高速なデータ転送レートが求められるさまざまなアプリケーションでの使用拡大に伴い、着実に需要が増加しています。次世代のDDR ICを評価するバーンインテストソケットには、より高い特性を備えた新しい素材ソリューションが求められており、SABICは、こうした従来材料では対応できなかったニーズに応える材料開発に取り組んでいます。私たちは高性能素材に継続的な投資を行っており、これは半導体業界に対するSABICの強いコミットメントを示すものです」と話している。
ダブルデータレートメモリICは、プロセッサのクロックサイクル毎にデータを2回取得しデータ転送を高速化することで、ゲームや人工知能といった膨大なデータを扱うアプリケーションで求められる高スループットの要求に対応する。
しかし、ICの高機能化が進む一方で、テストソケットメーカーには、高温、高圧、小型化、多ピン化への要求が強まっている。このためDDR IC用のBiTS設計においては、高精度、高耐久性、および加工性が必要となっている。
LNP KONDUIT 8TF36Eコンパウンドは高い流動性を特徴としており、テストソケットの設計における微細化、多ピン化、複雑化を可能にする。本コンパウンドは、テスト工程で求められる150°Cの試験温度に容易に耐えることができる上、寸法安定性を維持することで測定精度の向上にも寄与する。また、この高耐熱性によって、BiTSを劣化させることなく繰り返しの使用も可能となる。さらに、LNP KONDUIT 8TF36Eコンパウンドは最高260°Cまでの極度の高温環境にも対応できるため、将来的により高温のBiTS要件を満たす特性を備えている。加えて、最大4.5 W/m・Kという高い熱伝導率を発揮するため、テスト後に熱を素早く放散することができる。
SABICの新しいコンパウンドは、BiTSアセンブリのラッチやアダプターといった固定構造部品に最適である。
SABICのAPAC地域フォーミュレーション&アプリケーション担当ディレクターであるJenny Wangは、「メモリチップの進歩に伴い、バーンインテストソケットには新たな要求が課せられています。DDR ICの高機能化に伴い、信頼性テストにおいては、BiTSシステム内の全デバイスに均一にストレスがかかることを検証するため、温度管理が非常に重要です。SABICの新しいLNP KONDUITコンパウンドは、現行の素材では実現できなかった特性を可能にしています。高い熱伝導率をはじめとして、試験の成功に貢献するさまざまな重要な特性を提供します」と話している。
SABICの新しいLNP KONDUIT 8TF36Eコンパウンドは全世界で入手可能である。