日本・東京、2022年8月31日 – 化学業界のグローバルリーダーであるSABICは本日、性能要件が厳しい自動車のエンジン回りや外装および内装部品に向けて、優れた性能と加工性を提供するガラス短繊維強化ポリプロピレン(PP)コンパウンド「G3430X」と「G3440X」を発表した。これら2つのPPコンパウンドは流動性、引張強度、曲げ強度および曲げ弾性率において、標準的なガラス短繊維強化材料を上回る高性能を発揮する。SABIC® PPコンパウンドG3430XとG3440Xは、各種パーツの装着や支持に用いるブラケット、シート構造物、センターコンソールなど自動車構造部品の成形に適した材料であり、最終製品の性能強化に寄与する。さらに、これらは高い流動性によって成形部品の薄肉化が可能なため、より軽量な部品を設計することができる。
SABICでETP&マーケットソリューション部門のゼネラルマネージャーを務めるAbdullah Al-Otaibiは、「SABICの開発能力と継続的な製品ラインナップ拡充への取り組みによって、これら2つの卓越した高性能材料が生み出されました。この新製品によって自動車業界のお客様は、最終製品の性能を大幅に向上させることができます。これらの新しいSABIC PPコンパウンドは、お客様の新たなニーズに対するSABICの積極的な取り組みを示す好例です。私たちはガラス短繊維ポリプロピレンの堅牢性および薄肉化において新たな業界基準を確立することができました。これは自動車業界で求められる性能要件がますます高まりをみせる中で大きな優位性となります。」と述べている。
向上した性能
SABIC PPコンパウンドG3430Xはガラス短繊維を30%、G3440Xは同40%を充填して強化されており、従来のガラス短繊維PP材料と比べて優れた物理的性能に加え、加工を容易にする高流動性を提供する。両製品とも剛性と耐衝撃性をバランス良く発揮する構造用部品に最適な特性を備えており、G3440XはG3430Xよりも高い剛性と高密度を提供する。また、これらの材料は他のガラス短繊維PPコンパウンドを上回る高性能に加え、低温環境で用いられているガラス長繊維PPに対して、コスト効率の良い代替材料としての利用も期待される。さらにこれらの材料は卓越した剛性と優れた耐衝撃性を兼ね備えるほか、高い流動性を示すことから薄肉部品の設計が可能となり、性能を損なうことなく部品の軽量化を図ることができる。
また部品の軽量化は車両全体の性能向上に寄与する上、材料使用量の低減によるコスト削減にも貢献する。加えて、高流動性はサイクルタイムの短縮によって生産性を向上できるため、製造面でのコストメリットも期待できる。
いずれのSABIC PPコンパウンドも黒色およびナチュラル色のほか、カスタム色が利用可能である。