- インテリジェント・パワー・マネジメント機能とタンタルコンデンサにより、電断に対する最大限のデータ保護を保証
日本・東京、2022年4月7日 – 産業向けフラッシュストレージ製品の独立系メーカー・Swissbit(日本法人:スイスビットジャパン株式会社、東京都新宿区、代表取締役 友森 健一郎)は、基幹業務用アプリケーションを中心とした産業用途で利用されるSSDに向けて、データ損失を最大限に保護する高度な電断データ保護機能「パワーセーフ™」を発表しました。また、同機能を搭載した製品の第一弾として「X-75シリーズ」の販売も開始します。
重要データを扱う産業用SSDにとって、突然の停電時にデータ損失を効果的に防ぐ電源損失保護(PLP)は不可欠な機能です。このため、Swissbitが提供する全てのストレージ・ソリューションには、データ損失の保護に最適化されたPLP技術が標準装備されています。今回発表したパワーセーフは、PLPのレベルを高める付加機能であり、ホストから転送されたコントローラーのダイナミック・データ、及びDRAMからNANDへのキャッシュ・データを確実に転送することで、高度なデータ保護を実現します。この新機能は、最高レベルの信頼性と製品ライフサイクルを重視して設計されたSSDに対して、業界をリードするPLPソリューションを提供します。
高性能な「パワーセーフ」機能の技術は、洗練されたファームウェアとハードウェア機能の組み合わせによって実現しており、SSDの動作中にエネルギーを蓄える高信頼性のタンタルコンデンサがベースとなっています。これによって突然の停電が発生した場合には、コンデンサに蓄積された電荷を利用することで、ダイナミックデータとDRAMキャッシュ内のデータの両方をNANDフラッシュアレイに安全に書き込むことが可能となります。SSDの動作中に供給電圧が臨界しきい値に達した場合、ファームウェア内のインテリジェントな電源管理システムによって電源がホストから切断され、代わりにコンデンサの安定化電圧に接続されます。これにより、キャッシュデータをNANDフラッシュに完全に書きこむ為の十分な電力が供給可能となり、ホストからSSDに送られるライトコマンドを安全に実行することができます。
Swissbitメモリー・ソリューションズ部門ゼネラル・マネージャーのRoger Griesemerは、「停電はデータに回復不能なダメージを与え、損害につながる恐れがあります。特に、産業用途向けSSDは、稼働が10年以上にわたるケースが少なくありません。『パワーセーフ』は、最も高度なPLP機能を提供することが可能です。特に、データ損失が許されない基幹業務用アプリケーションにおいて、私たちはSSDの信頼性を新たなレベルへと高めることができました」と話しています。
業界標準を超える検証工程
Swissbitは「パワーセーフ」の開発に際して、業界で一般的に実施されているよりも広範かつ厳格な試験を実施しました。電源をホストから切断した停電状態で、書き込み処理のみを実行する試験を10,000回実施しており、高水準の再現性と信頼性が確認されています。また、個々の試験サイクル間のアイドルタイム(遊休時間)を短縮し「パワーセーフ」の機能に一層の負荷をかけることで、最も過酷な作業負荷への対応や処理能力も検証されています。
パワーセーフ™搭載SATA III SSD X-75シリーズをリリース
Swissbitは、一部のSSDシリーズにおいて「パワーセーフ」をオプション機能として用意しており、対象シリーズの製品名にはPの文字が付加されます。第一弾の製品となるX-75シリーズは、2.5インチSSDおよびM.2フォームファクタがラインナップし、いずれも拡張PLP保護オプションとしてパワーセーフをお選び頂けます。この他に、3D NAND(TLC)をベースとしたSATA IIIインターフェース搭載のSSDも提供しており、容量は240~1,920GBで、産業用途に求められる動作温度が保証された最高レベルの耐久性と信頼性を備えています。
さらに、2022年第3四半期にSwissbitは、「パワーセーフ」シリーズとして新しいPCIe SSDモジュールN-30をリリース予定です。N-30m2P(TLC)は240GB~4TBの容量をサポートし、pSLC製品(N-36m2P)もラインナップ致します。