- 最先端設備への多額の投資により、富山テクニカルセンターにおける研究開発の能力とスピードを強化
- 水素化反応触媒の合成および評価能力を2倍超に向上
- スチレン製造における反応条件をシミュレート可能な新しいテストユニットを導入
独ミュンヘン、2021年12月9日 – クラリアントの触媒ビジネスユニットは、現在、グローバルで研究開発能力の向上を進めており、その一環として同社では、このたび富山テクニカルセンター(富山県富山市)に対する投資を実施し、研究開発の迅速化と高効率化を目的とした研究施設の能力拡張に着手しました。クラリアントの富山テクニカルセンターは、同社のニッケル系水素化触媒およびスチレン系触媒の開発におけるグローバル・コンピテンス・センター(主要開発拠点)であるとともに、カスタム触媒、エミッションコントロール、Power-to-Xテクノロジーを用いた新しいアプリケーションの研究分野にも取り組んでいます。
これまでにクラリアントの富山テクニカルセンターでは、水素化用NiSat® 粉末触媒およびスチレン製造用触媒StyroMax® の2つの主要製品が開発されています。このたびの投資により、現在、NiSat触媒の合成および評価の能力は、以前の2倍以上に強化されました。これにより、新規の触媒の試作とスケールアップ作業が大幅に加速されるとともに、触媒の性能評価試験によって製品が顧客要件を満たしていることが確認できます。また、スチレン触媒については、新たなテストユニットの導入によって、商業プラントでの反応器の条件をより正確にシミュレーションすることが可能となりました。これによって、スチレン触媒開発におけるクラリアントの能力が向上することに加え、プロセスライセンサーとの協力関係の強化を図ることができます。
クラリアントの触媒ビジネスユニットでグローバルR&D責任者を務めるマービン・エステンフェルダー(Marvin Estenfelder)は次のようにコメントしています。「今回の富山テクニカルセンターの能力の拡張は、世界の各地域において研究開発の着実な推進を目指す戦略の一環です。2020年には、米カリフォルニア州パロアルトにあるR&Dセンターの能力を倍増させました。また、本年2021年の初頭には、上海に新設したOne Clariant Campusに最先端のR&Dセンターを開設しています。これらにより、当社の研究開発能力は世界的に強化が進んでおり、地域のニーズに対して迅速な対応が可能となりました。」
また、クラリアント触媒株式会社(東京都文京区)の伊藤弘治 執行役員は次のように述べています。「クラリアントは、市場ニーズの把握や現地スタッフの能力を活かすため、日本をはじめとする主要市場において、各市場・地域での研究開発に力を入れています。また、触媒に関する先進的な研究を実施している日本の大学との協力関係を維持し、積極的に関係を拡大していきたいと考えています。」
1964年に設立されたクラリアント触媒株式会社は、富山サイトで研究開発と生産を行い、東京オフィスで顧客対応と技術サービスを行っています。富山サイトは、クラリアントの触媒ビジネスユニットのグローバル拠点において、全10のR&Dセンターの一つであり、全14の生産拠点の中で3番目の規模を誇ります。