ジョージア州アルファレッタ、2021年6月1日 – ソルベイは、インプラント製品を手掛ける米Carbon22™社(GLW社傘下)が、足および足首の外科手術用に新しく開発したCreed™カニューレ・スクリューシステムに、ソルベイのZeniva® ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂を採用したことを明らかにしました。この先進的な新しいスクリューシステムは、米国食品医薬品局(FDA)から510(k)クリアランスを取得しています。
この新しいスクリューシステムには、樹脂と金属によるハイブリッド複合材料が用いられており、チタン製の金属コアにソルベイの医療用インプラントグレードであるX線透過性Zeniva® PEEK樹脂をオーバーモールドして造形されています。この高機能材料を用いたことで、X線やCTスキャン(コンピューター断層撮影)での診断時に、体内のスクリューを確認しながら、歪みなどの視覚的なノイズなしに、インプラント部位の付近や背後の状態について、外科医による正確な評価が可能となります。
この新しいCreed™カニューレ・スクリューには、Carbon22™社独自の製造技術が用いられています。従来のチタン製スクリューの場合、切削加工中に大量の高価な廃材が生じてしまいますが、この革新的な製造プロセスでは、材料廃棄物を減らすことによってコスト削減に寄与します。さらに、Carbon22™のハイブリッド複合材料は、チタンを用いることで、PEEK材のみで作られたスクリューでは実現できない、より鋭利な先端形状の設計が可能となります。
ソルベイ特殊ポリマー事業部のヘルスケア担当グローバルマーケティングマネージャー、Anna Maria Bertasa氏は、「私たちはCarbon22™社と緊密に協力し、PEEK樹脂そのものには持ち合わせていない、チタンへの強い接着性を実現しました。ソルベイの広く深い技術的専門知識と高度な材料技術は、競合他社との差別化を図るとともに、この革新的なCreed™システムの構築に貢献しました。私たちは、お客様の市場における競合社との優位性を提供し、お客様の成功を支援するため、各社固有のニーズへの対応に必要とされる新たなチャレンジを歓迎します。」と話しています。
オールチタン製のスクリューではX線が透過せず、またオールPEEK製のスクリューはスクリューの直径によって撮像に影響が出ますが、チタンとPEEKのハイブリッド複合材料を用いたCreed™スクリューの場合、照射されたX線は骨まで到達することができます。そのため、スクリューの輪郭が写し出され、骨構造の視覚化を大幅に向上させます。この特性を活かすことで、手術中および術後のスクリュー位置の確認、経過観察時の治癒状況の把握が可能となります。さらに、スクリュー位置を画像に写し出すことができることにより、外科医にとってはより確かな確認がとれることになり、患者様へのよりよい治療の一助となります。
Carbon22社のCEOであるVadim Gurevich氏は、「ソルベイ社はインプラント可能なPEEK樹脂の業界リーダーとして知られています。彼らのチームには、新しいCreedシステムの開発に役立つ、優れた材料に関する専門知識とエンジニアリング能力を提供していただきました。私たちはソルベイと共に、次世代整形外科用機器の開発促進に向けた新規開発プロジェクトにも積極的に取り組んでいます。」とコメントしています。
® Zenivaは、ソルベイ社の登録商標です。
TM Carbon22およびCreedは、GLW社の商標です。