ジョージア州アルファレッタ、2018年5月22日 – 高機能ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは本日、大動脈弁修復に特化した初の内部弁輪形成器具であるBioStable Science & Engineering社のHAART 300 Aortic Annuloplasty Device向け手術用器具中の主要な部品の樹脂として、生体適合性を有するレーデル® ポリフェニルサルホン(PPSU)が使用されることを発表しました。
「繰り返し使用可能な心胸郭手術用器具の開発においては、信頼できるサプライヤーの実証済み材料が必要です。」と、BioStable社の社長兼CEO、John Wheeler氏は述べています。「レーデル® PPSUはヘルスケア、医療機器分野でゆるぎない実績があることから、当社キットのサイザーコンポーネントでも迷うことなく採用しました。ソルベイは技術的にも規制に関する専門知識でも業界をリードするメーカーであり、確信を持って材料として選定しました。」
大動脈弁閉鎖不全とは、大動脈弁の3次元形状の歪みによって血液が心臓に逆流し、大動脈弁尖が正しく閉じなくなる疾患です。BioStable社のHAART 300器具は、外科手術で大動脈弁の基部を再形成して安定化させることで、正常な心臓弁機能を回復させ、弁置換を回避することが可能となります。
押出成形のレーデル® R-5500ロッドから切削されたポリマーサイザーを使用すれば、手術中に患者の大動脈弁尖の寸法をすばやく測定し、適切なサイズのHAART 300 Aortic Annuloplasty Deviceを選択して、大動脈弁を正しく閉じることができます。
「HAART 300キットのサイザーはシンプルで洗練された器具であり、繊細な処置が求められる手術中に、すばやく正確に、信頼性の高い測定を行うことができます。」と、ソルベイのSpecialty Polymers Global Business Unitでbusiness manager for Healthcareを務めるJeff Hrivnak氏は述べています。「ソルベイはBioStable社に対し、レーデル® PPSUという、器具同様に洗練されたソリューションを提供しています。これは強靭かつ生体適合性を有する樹脂であり、繰り返しの滅菌サイクルに耐え、高度な成形、切削加工を可能にするものです。」
レーデル® PPSUは熱安定性、耐薬品性、耐加水分解性に優れた樹脂であり、消毒や蒸気滅菌が繰り返される医療用器具に最適です。レーデル® PPSUによって製造された器具は、機械特性がほとんど低下することなく1,000回以上のオートクレーブ処理に耐えることができます。
BioStable社のHAART 300 Aortic Annuloplasty Device手術用キットは、米国と欧州で販売されています。
® レーデルはソルベイの登録商標です。
BioStable Science & Engineering社について
BioStable Science & Engineering社は、心臓血管用器具のメーカーであり、大動脈弁疾患に対する弁置換術に代わる、独自の心臓弁修復技術の開発と商品化に取り組んでいます。同社のHAART大動脈修復技術は、大動脈弁修復を簡素化・標準化するものであり、大動脈弁閉鎖不全や大動脈基部動脈瘤の外科的整復に効果的な大動脈弁修復を容易にします。詳細については、www.biostable-s-e.com をご覧ください。