シュロニガー、大口径電線ケーブル加工精度を向上するレーザーケーブルストリップ装置「Mercury-5(マーキュリー5)」の販売を開始

  • レーザーを使用し、コア電線を一切傷つけず様々な形状の電線ケーブルを加工
  • 小型かつ簡単操作で直径20mmまでの大口径電線ケーブルを加工するストリップ装置

東京 – 2018年1月15日 – あらゆるワイヤー・ケーブル・ハーネス加工装置・ソリューションの専門メーカーであるシュロニガージャパン株式会社(代表取締役:木鎌三千雄、所在地:東京都稲城市、本社:スイス)は、大口径電線ケーブルの被覆材をレーザーで切除(ストリップ)する電線加工装置「Mercury-5(マーキュリー5)」を開発、2018年1月17日から東京ビッグサイトで開催の「インターネプコン展」において同製品を展示紹介し、日本国内での販売を開始する。

Mercury-5レーザーストリップ装置Mercury-5は外径20mmまでの大口径電線ケーブルに対応し、ケーブル内部のコア電線を傷つけることなく、被覆材だけを切除するレーザーケーブルストリップ装置である。本装置はケーブル両端のストリップ加工とスリット加工を最長200mmで施すことができる。Mercury-5はソフトおよびハードともに操作性が単純化されており取扱いが容易で、加工プログラムは99件まで本体メモリに保存できる。これにより作業者は、1)個々の加工プログラムを本体カラータッチスクリーンから読み出す、2)装置に電線ケーブルを挿入する、3)加工開始ボタンを押す、といった簡単な操作でストリップ加工が可能となる。またMercury-5は、被覆材の切除に金属刃を用いる加工装置と違い、レーザーによる非接触加工のため、刃の摩耗などは発生せず、メンテナンス頻度を大幅に低減できる。

大口径電線ケーブルの高精度な加工ニーズに対応

近年、機器・機械・システムは機能や性能の多様化が急速に進んでおり、それに伴って用いられる電線ケーブルの素材や構造は益々高機能化・複雑化している。大口径電線ケーブルを使用するハイブリッドカーや電気自動車などの自動車用途をはじめ、電力、情報通信、航空機、産業機械等の産業分野においても、これら高機能・複雑な大口径電線ケーブルの加工要求が増している。

一般的に電線ケーブルは、電気やマイクロ波等を伝送する金属製のコア電線を、樹脂やガラスなどの絶縁材料で被覆した構造となっている。製造現場では、電線ケーブル端部の被覆材を切除してコア電線を露出させるストリップ加工が行われる。このストリップ工程でコア電線に傷をつけてしまうと、機器の動作不良や不具合の原因となりうる。また、複雑な形状をした電線ケーブルでは、機械加工が難しくなるために手作業での加工に頼らざるを得ない。このため、コア電線を傷つけないストリップ加工技術が求められていた。

Mercury-5に使用される炭酸ガスレーザーには、被覆材の樹脂やガラスを切断する一方で、コア電線の銅やアルミニウムには何の影響も与えないという特性がある。このため金属刃を用いた一般的なストリップ加工と違い、加工時に内部のコア電線に傷をつける心配がない。さらに複雑な形状をした電線ケーブルの加工も可能になる。Mercury-5は、大口径電線ケーブルの除去したい部位だけを確実に加工可能で、加工品質の向上と安定性に確実応える新たなソリューションとなる。

シュロニガージャパンの木鎌社長は、「弊社のケーブルストリップ加工製品群に『Mercury-5』が新たに加わったことで、1年前に販売開始したいへん好評を頂いているMercury-4と併せて、レーザー加工ソリューションの提供範囲が大きく広がったので、更に多くのお客様のモノづくりに貢献できれば幸いです。」と話している。

Mercury-5の本体価格は448万円(税別)、発売初年度の販売目標は10台(日本国内)を見込んでいる。