- 加工可能な電線ケーブルの最大サイズをAWG 8まで拡大
- 多芯線の加工性向上とセル生産方式に有用な「ワイヤーリスト」機能を追加
東京 – 2017年10月4日 – 電線加工機メーカーのシュロニガージャパン株式会社(代表取締役:木鎌 三千雄、所在地:東京都稲城市、本社:スイス)は、同社卓上型電線ストリップ装置の定番機種である「UniStrip 2300(ユニストリップ2300)」に大幅な機能拡張を施した2018年モデルを開発、2017年10月4日から開催の「関西・機械要素技術展」への出展を機に販売を開始する。
このたび発売するUniStrip 2300の2018年モデルでは主に、加工対象ケーブルの範囲拡大と、複数本の電線を束ねた多芯ケーブルの加工性向上が図られている。今後同社では各種産業機械、家電、車載電装品といった用途での需要開拓を更に進めていく。
電線ケーブルは電気信号が流れるコア電線を樹脂素材などで被覆した構造がとられており、コア電線に端子やコネクタを取り付けるもしくは基板に直接はんだ付けするなどの方法で利用される。このため、電線ケーブル端部の保護被覆を切除してコア電線を露出させるストリップ加工が必要になる。
より太いケーブルの加工に対応
近年、各種機械・装置は、高機能化に伴って内部に組み込まれる電線ケーブルの本数や種類が増加している。例えば産業用ロボットでは、複雑な動作を実現するため装置の制御が複雑化・多様化する傾向にあり、これに伴い内部配線ケーブルの数および種類が増えている。シュロニガーではこうした加工ニーズの変化を受け、UniStrip 2300で加工可能な電線の最大サイズ(太さ)を米国ワイヤゲージ規格AWG 8(8mm2)まで拡大し、1台で対応できる電線の範囲を拡張した。
多芯ケーブル加工とセル生産方式をサポートするワイヤーリスト機能
複数本の電線で構成される多芯ケーブルはFA機器、制御装置や電源ユニットなどで広く利用されているが、多くの場合、内部電線1本毎にその加工条件が異なる。これまでの大量一括生産方式が少量多品種生産へと変遷する中で、セル生産方式に対応できる加工ニーズの需要が高まっていた。このため同社では、多芯ケーブルの内部電線それぞれの加工方法と加工順をメモリ記憶させるだけでなく、それらを任意にグループ化できる独自のワイヤーリスト機能を卓上型のケーブル加工機として世界で初めて搭載した。
シュロニガージャパンの木鎌社長は、「UniStrip 2300は2010年の販売開始から日本を含め世界で累計8,000台以上を出荷し、現在も販売数が伸び続けております。市場では既に業界標準機とも評されるまでになっておりますが、新たに加工対象ケーブルの拡大とワイヤーリスト機能が追加された2018年モデルは、更に多くのお客様の生産性向上とコスト低減に貢献し、その市場評価を一段と押し上げるものと確信しております。」と話している。
このほかUniStrip 2300に新しく追加された機能・オプションとして、多様な短尺ストリップを実現する3種類のグリッパ・オプション、操作ミスを防止するバーコードスタート機能、加工時にカッター刃に付着したストリップカスを除去する6タイプの自動クリーニングオプションなどが挙げられる。
UniStrip 2300は、被覆材を含めたケーブル外径0.03mm2~8mm2、ストリップ長1.5mm~46mmに対応し、1本あたり0.35秒(ケーブル0.75mm²、ストリップ長10mm、引張り長5mmの場合)で加工する。UniStrip 2300の本体サイズは奥390mm x 幅130mm x 高280mm、重量約10kgという小型の卓上加工機で、被覆材の厚さや切断長などケーブルによって異なる切断寸法のパラメータを最大1,000件まで本体内にメモリ保存できる。UniStrip 2300の参考価格は398,000円(税別)、2018年モデルの販売は年間700台(日本国内)を見込んでいる。
なお同社では、年内に開催される各種展示会に出展し同製品の展示紹介を予定している。
- 関西・機械要素技術展:2017年10月4日~6日、インテックス大阪
- モノづくりフェア2017:2017年10月18日~20日、マリンメッセ福岡
- メッセナゴヤ2017:2017年11月8日~11日、ポートメッセなごや