日精樹脂工業㈱(社長・依田穂積、本社・長野県埴科郡坂城町)は、革新的省エネルギー技術の導入による環境負荷の低減を目指し、本社敷地内の研究開発センターの「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」化を計画、同センターの改修工事を実施し、本年2月27日、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の評価で「ZEB Ready」に認証されました。
当社は、これまで、再生可能エネルギーの利用を推進するため、太陽光発電設備を本社敷地内に導入するなど、環境負荷低減に向けた取り組みを展開してきましたが、今回建屋の補修時期を迎えていた研究開発センターのZEB化を決定し、経済産業省所管の「平成28年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業」に応募、昨年6月に採択され、同年12月末まで改修工事を実施しました。
【今回の改修によるZEB構成要素】
◎外皮性能の強化(高断熱サッシ・高断熱天井の導入)
◎高効率空調機(ガスヒートポンプエアコン)の導入
◎高効率照明(高機能センサー・高効率LED照明)の導入
◎外気負荷の低減(CO2センサーの導入)
◎エネルギー監視システム(BEMS)の導入
【今回の改修工事による省エネルギー効果】
エネルギー消費量:従来4,964,890MJ ⇒ 改修後2,280,560MJ
エネルギー削減率:54%(削減量は2,684,330MJ)
この結果、今回のZEB化事業は、BELS評価で5つ星の「ZEB Ready」に認証されました。5つ星のZEB Ready評価は長野県内の事業所で初となります。
今回の実証事業では、今年4月から1年間にわたってBEMSによるエネルギー使用量のデータ収集・解析を行い、実施状況を報告することになります。
当社は、今後も企業活動と地球環境の調和を目指し、環境負荷の低減に積極的に取り組んでまいります。
※主な用語説明
1.ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)
近年、オフィスビル等で使用される業務用エネルギーの消費量が増加傾向にあり、エネルギー消費の少ない建物の積極的な普及が望まれている。そこで、低炭素社会の実現に向けた切り札として、日本を含む先進国で導入が進められているのが、「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の取り組み。
◆ZEB(Net Zero Energy Building)の定義
「建築物における一次エネルギー消費量を、建築物・設備の省エネ性能の向上、エネルギーの面的利用、オンサイトでの再生可能エネルギーの活用等により削減し、年間での一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロまたはマイナスとなる建築物」
(経済産業省所管「ZEBの実現と展開に関する研究会」2009年11月)
◆ZEBから派生した分類・・・広義では下記の2つもZEBに含まれる
①Nearly ZEB(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
ZEBに限りなく近い建築物として、ZEB Readyの要件を満たしつつ、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた建築物を指す。(基準値からのエネルギー削減率が75%~100%未満)。
②ZEB Ready(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル・レディ)
ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化および高効率な省エネルギー設備を備えた建築物を指す(基準値からのエネルギー削減率が50%~75%未満)。
2.ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業
ZEBの構成要素となる高性能建材や高性能設備機器等に際して、その情報の提供に同意する事業者に対し、その費用の一部を補助するもので、補助率は対象経費の3分の2以内、補助金の上限は10億円/年(平成28年度公募要領)。
今回の補助事業執行団体は、一般社団法人環境共創イニシアチブ。
補助金を受けるため、工事完了後に提出する実績報告書には、第三者認証による省エネルギー性能評価の評定書(認証)も必要となる。
3.建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)
「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が2015年7月公布、翌16年4月より施行。その法第7条に基づく16年国交省告示第489号「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」に定められた第三者認証制度の1つ。
建築物省エネルギー性能表示制度の英文名称Building-Housing Energy-efficiency Labeling Systemの頭文字をとってBELS(ベルス)と呼ぶ。一般社団法人住宅性能評価・表示協会に登録された登録BELS機関が、省エネルギー性能の評価・表示を行う制度で、ガイドラインに基づく表示内容と併せ用途毎の省エネルギー性能指標(BEI・・・Building Energy-efficiency Indexの略)に応じた☆数が表示される。当社は5つ星。