ジョージア州アルファレッタ、2017年6月7日 – 特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは、本日、複数のグレードのライトン® ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂が、Ford社の超低粘度ULV 25自動車用トランスミッションオイル(ATF)と高い適合性を持つことを確認したと発表しました。この結果は、成長するソルベイの高機能樹脂と、業界を代表する自動車メーカーで広く使用されているATFとの互換性の証明を目的とした絶え間ない研究によって得られたものです。
最新の研究ではFord社のATF ULV 25(仕様番号WSS-M2C949-A)に着目しました。これは、自動車のトラスミッションの動作効率を向上するフリーフローオイルです。ソルベイのライトン® PPSの4グレードをISOおよびASTM試験法で評価し、Ford社のULV 25 ATFに浸漬後、機械特性の変化を測定しました。試験対象のPPSグレードは次のとおりです。
- ライトン® R-4-200BL: 強度と強靱性を向上した40%ガラス繊維強化コンパウンド
- ライトン® XE-5030: 高い衝撃強さおよび流動性、優れた熱安定性を備えた30%ガラス繊維強化コンパウンド
- ライトン® XK-2340: 精密成形向けの高い強度と流動性を備えた40%ガラス繊維強化コンパウンド
- ライトン® R-7-190: 強度が向上し、成形時の金型メンテナンス頻度が少ないガラス繊維およびミネラル強化コンパウンド
ライトン® R-4-200BL、XE-5030、およびXK-2340 PPSのサンプルを150℃で設定された時間(最大3000時間)ATF ULV 25に浸漬後、試験を行いました。ライトン® R-7-190 PPSのサンプルを同じ温度で同じ時間(最大1500時間)Ford社のATFに浸漬後、試験を行いました。
いずれの場合も、これらの材料はFord社のATF ULV 25に対する優れた耐性を明確に示し、引張り強さ、破断時引張り伸び、または衝撃強さの変化は最小限でした。
「ソルベイは、自動車メーカーがトランスミッションの効率を向上し、ドライブトレインの電子化への新たな可能性を探るうえで役立つ特殊ポリマーの比類なき製品群と高度な軽量化のソリューションを自動車業界に提供しています。」と、ソルベイのSpecialty Polymers Buiness UnitのGlobal Automotive Business ManagerであるBrian Baleno氏は述べています。「最新の研究から、これら4グレードのライトン® PPSは高い耐薬品性によって、業界を代表する超低粘度ATFとの適合性が求められるエンジンルームで使用するために開発された、我々の拡大中のソリューション製品群に加わる適性を備えていることがわかりました。」
ライトン® PPSは、高温、自動車用オイル類、機械的応力を受ける自動車部品に最適な製品です。電子化されたパワートレインの考えられる用途として、特にトランスミッションセンサー、自動車制御ピストン、トラクションモーターボビン、ソレノイドなどがあります。ライトン® PPSは、ブレーキ系部品に加えて、高い耐熱性、高い寸法安定性、および耐食性が要求される電気/電子部品などにも使用されます。ライトン® PPSは、塩分やすべての自動車用オイル類に対する耐食性を備えており、金属の代替となる軽量化材料です。小さい寸法公差で複雑な部品を成形でき、インサート成形が可能なため複数の部品を一体化できます。
40年以上前に業界で初めて商品化されたPPSであるソルベイのライトン® PPSには、自動車業界での実績と長い歴史があります。今日、我々の製品群は、直鎖型および架橋型PPS材料のいずれにおいても世界トップレベルの幅広い製品を提供しており、ソルベイはお客様の用途に最適なグレードを選定する際のお手伝いも行っています。
® ライトンはソルベイの登録商標です。