日本・東京 2016年11月2日 – 高度なポリアミドソリューションのグローバル・リーダーであるソルベイは、K 2016展示会において、独自の”smart molecule”自己補強テクノロジーを採用した新たな高耐熱性ポリアミド6.6(PA66)製品「Technyl® REDx」を発表しました。この革新的なTechnyl® REDx材料は、ソルベイ・エンジニアリング・プラスチックスの耐熱に関する専門知識に基づいて開発された製品で、特に自動車業界などの厳しい温度管理が求められる用途において、従来材料よりも優れた特性を発揮します。
ソルベイ・エンジニアリング・プラスチックス、グローバル・オートモティブ・マーケット担当ディレクターのジェームズ・ミッチェルは、「現在、1,200万台を超えるエンジンでTechnyl®の耐熱テクノロジーが利用されています。自動車メーカーは、当社の樹脂材料を用いることで、エンジンの小型化において直面している温度や圧力の大幅な上昇といった各種の制約を克服することができます。次世代エンジンの開発においては、コストや性能に妥協することなく、連続的な高温環境に耐えうる新たな材料ソリューションが求められています。」と話しています。
こうした課題に対処するため、ソルベイは樹脂の分子構造に影響を与えない独自のsmart molecule自己補強テクノロジーを採用したTechnyl® REDxを開発しました。この新しいテクノロジーは、自動車部品などを射出成形する工程においては不活性の状態を維持し、高流動性PA66と同様の挙動を示します。自動車の使用時には、温度上昇に伴ってスマートテクノロジーが活性化し、急速に架橋することで初期値よりも大幅に機械的特性が向上します。
Technyl® REDxは、100°C未満の金型温度で成形できるため、エネルギー消費量の節減に寄与すると共に、シンプルでコスト効率の良い製造が可能となります。また220°Cで連続3,000時間の劣化試験においても特性の保持能力がきわめて高く、破断時の伸びを低下させることなく50%を超える引張特性の向上が実証されました。
Technyl® REDxのプロジェクト・リーダーであるアントワーヌ・ジュウは、「Technyl® REDxは長期の熱安定性、優れた加工性、卓越した表面形状を提供することで、材料コストおよび製造コストの低減化に貢献し、高耐熱性が求められる用途において新たな可能性を切り拓くものです。耐熱性に優れたTechnyl® REDxを利用することで、従来材料の使用時に必要とされていた断熱材が不要となります。」とコメントしています。
ソルベイのTechnyl®製品群は、軽量、高性能、高出力の小型エンジン開発に必要な要件を満たすことができます。金属代替可能なTechnyl®製品は、火、熱、薬品に対する保護性能を提供し、自動車の環境フットプリントおよびCO2排出量の継続的な低減化を通じて自動車業界をサポートします。
ソルベイは、高度な材料解析から用途の検証に至るまで幅広い技術サービスの提供によってお客様をサポートし、新たなアプリケーションにおける上市期間の短縮に寄与します。ソルベイが提供するサービスには、Sinterline® PA6パウダーを用いた3Dプリンティングによる機能試作、MMI® Technyl® Design1による予測シミュレーション、APT® Technyl® Validationセンターにおける部品試験などが含まれます。
® SinterlineおよびTechnylはソルベイの登録商標です。
1 e-Xstream(MSC Software company)のDIGIMAT™ ソフトウェアによりサポートされています。