2012年3月15日 – 日精樹脂工業㈱(社長・依田穂積、本社・長野県埴科郡坂城町)は、射出成形機の海外における2大市場である米国と中国で4月に開催される国際プラスチック展に参加、ニュータイプの電気式成形機等の展示実演による当社の最先端ソリューション技術をアピールします。
当社が参加する展示会は、4月1日から5日まで米国フロリダ州オーランドで開催される「NPE2012」と、4月18日から21日まで中国・上海市で開催される「Chinaplas 2012」です。
米国の「NPE2012」には、昨年10月に新たにモデルチェンジした主力機種の電気式射出成形機「NEX-Ⅲシリーズ」の米国初公開を中心に、米国市場で需要が期待できる成形機計5台を出展実演します。
中国の「Chinaplas 2012」には、“低コスト”、“省力化(自動化)”、“省エネルギー”などをキーワードに、中国市場向けの仕様として当社の中国生産基地である太倉工場で製造した電気式成形機「NEX-Tシリーズ」3機種を出展実演し、低価格でありながら高品質(日精ブランド)な出展機の特長をアピールするとともに、顧客が成形現場で抱えている課題を解決するためのソリューション技術を提案します。
「NPE2012」に出展する「NEX-Ⅲシリーズ」は、型締力490kN(50トン)の「NEX50Ⅲ-5EG」、同784kN(80トン)の「NEX80Ⅲ-12EG」の2機種です。
会場では、「NEX50Ⅲ」がペーパークリップの1個取り、「NEX80Ⅲ」がピペットの32個取りを、それぞれ成形実演します。
「NEX-Ⅲシリーズ」の主な特長は、リニューアルした可塑化装置(射出装置)ならびに新コントローラ「TACTⅣ」の搭載です。
新可塑化装置では、成形品の不良率低減を目的に、加熱筒温度制御ゾーンの細分化・最適化などの新設計により、可塑化性能の向上を図りました。
これにより、
① 省エネルギー
新設計のノズル・加熱筒における熱伝導の効率アップにより、昇温時間が25%短縮し、消費電力を8%削減できます。
② 成形安定性の向上
成形立上げ時に発生しやすい樹脂温度のドリフト(バラツキ)を解消できるほか、PBT(非強化)、LCP、PA66、PCTA樹脂における可塑化の安定、PP樹脂における可塑化能力アップなど、様々な成形材料で優れた効果を発揮、不良率の低減、歩留まりの向上、生産性アップに繋がります。
③ 可塑化時間の短縮
後部ヒータを2ゾーン制御(細分化)としたことで、可塑化時間の短縮を図ることができます。
新コントローラ「TACTⅣ」は、画面の大型化や操作パネルの新設計、便利で使いやすい高付加価値ソフトの搭載により作業性・操作性が向上しているほか、品質・生産管理機能の強化も図りました。
主な特長は、
① 操作パネルはフラットシート設計とし、シートスイッチ方式を採用。
② 画面は15インチLCDの縦長配置で、上下に2画面を表示できるなど、優れた視認性・操作性を実現。実成形のモニタデータを見ながら、条件変更が可能。
③ 新機能の段取画面や設定器の説明表示などにより、金型取付から量産開始までの立上げ時間の短縮と簡単・確実な操作を実現
④ その他、生産管理や成形品質のトレーサビリティ、メンテナンス業務をサポートする機能の強化。などです。
この他、同展では、植物由来樹脂(バイオプラスチック)成形用ハイブリッド式成形機、液状シリコーンゴム(LSR)専用機等を展示実演します。
「Chinaplas 2012」に出展する電気式射出成形機「NEX‐Tシリーズ」は、型締力490kN(50トン)の「NEX50T‐3E」、同784kN(80トン)の「NEX80T‐9E」、同1080kN(110トン)の「NEX110T‐12E」の3機種です。
会場では、以下の成形実演を行います。
①「NEX50T」:長尺コネクターのハイサイク成形を実演することで、精密&ハイサイクルの両面を披露します。
②「NEX80T」:携帯電話筐体1個取りのインサート成形を実演することで、汎用的な取出機、ストッカーを用いた“自動化の提案”を行います。
③「NEX110T」:バリとショートショットを抑える低圧成形システムの提案として、結束バンド金型を用いて、低圧成形のONとOFF(通常成形)で交互に実演し、低圧成形システムの有効性をアピールします。
NEX‐Tシリーズの主な特長は、「直圧的トグル」を実現する「フラットクランプ」型締機構と、「高精度計量制御」を搭載した射出機構です。
フラットクランプは当社独自のトグル式型締機構で、直圧式型締と同じ感覚で操作が可能な「型締力自動補正」と「ダイレクト型締力設定」を搭載、本機能は、トグル式型締において、連続運転中に金型などの温度上昇によって変化する型締力を自動的に補正し、また、自動運転中でも型締力の変更を可能とした機能で、常に最適な型締力設定を行うことにより、金型や機構の長期精度維持を実現しています。
高精度計量制御は、成形時に高精度な計量動作を行う「プレパック」と「精密計量」のどちらか一方の制御モードを選択できるもので、再現性に優れた精密成形を実現する機能です。
このほか、快適操作を実現する高機能コントローラTACTには、各種の成形プログラムや便利な品質管理機能を満載しています。
補足① 米国のNPE展、ドイツのK展、日本のIPF展が世界3大国際プラスチック展といわれ、3年に1回持ち回りで開催しています。
補足② Chinaplas展は、上海と広州の2都市で交互に毎年開催されています。