2011年10月14日 – 日精樹脂工業㈱(社長・依田穂積、本社・長野県埴科郡坂城町)は、このほど、主力機種の電気式射出成形機「NEXシリーズ」の需要拡大を目的に、成形領域の拡大を目指したモデルチェンジを実施、新モデルとして、10月25日から幕張メッセで開催される「IPF2011」に出展し、受注を開始します。
モデルチェンジした「NEXシリーズ」は、型締力294kN(30トン)~1765kN(180トン)までの小・中型成形機6機種です。
日精では、10月の「IPF2011」に、新たにモデルチェンジした型締力490kN(50トン)の「NEX50Ⅲ-5EG」、同784kN(80トン)の「NEX80Ⅲ-12EG」、同1080kN(110トン)の「NEX110Ⅲ-9EG」の3機種を出展し、実演します。
今回の主なモデルチェンジの内容は、可塑化装置(射出装置)のリニューアルならびに新コントローラ「TACTⅣ」の搭載です。
新可塑化装置では、成形品の不良率低減を目的に、加熱筒温度制御ゾーンの細分化・最適化などの新設計により、可塑化性能の向上を図りました。
これにより、
① 省エネルギー
新設計のノズル・加熱筒における熱伝導の効率アップにより、昇温時間が25%短縮し、消費電力を8%削減できます。
② 成形安定性の向上
成形立上げ時に発生しやすい樹脂温度のドリフト(バラツキ)を解消できるほか、PBT(非強化)、LCP、PA66、PCTA樹脂における可塑化の安定、PP樹脂における可塑化能力アップなど、様々な成形材料で優れた効果を発揮、不良率の低減、歩留まりの向上、生産性アップに繋がります。
③ 可塑化時間の短縮
後部ヒータを2ゾーン制御(細分化)としたことで、可塑化時間の短縮を図ることができます。
また新シリーズでは、射出圧力の高圧化、射出速度の高速化など基本スペックの向上を実現しているほか、射出装置2EG~12EGでは、さらなる精密安定成形を実現する高精度仕様を選択できるなどオプション仕様の充実も図りました。
新コントローラ「TACTⅣ」は、画面の大型化や操作パネルの新設計、便利で使いやすい高付加価値ソフトの搭載により作業性・操作性が向上しているほか、品質・生産管理機能の強化も図りました。
主な特長は、
① 操作パネルはフラットシート設計とし、シートスイッチ方式を採用。
② 画面は15インチLCDの縦長配置で、上下に2画面を表示できるなど、優れた視認性・操作性を実現。
③ これまで熟練技能者に頼っていた歩留まりを向上させるための成形条件設定を自動化・簡略化することで、“らくらく設定”により不良率の低減を実現。
④ 新機能の段取画面や設定器の説明表示機能などにより、金型取付から量産開始までの立上げ時間の短縮と、簡単・確実な操作を実現、など。標準本体価格は、消費税別で、型締力30トンの「NEX30Ⅲ-2EG」が810万円、型締力180トンの「NEX180Ⅲ-36E」が1,460万円。
今回の6機種で年間約880台の販売を見込んでいます。