2011年6月8日 – 世界トップクラスのコネクターメーカーである米モレックス社の日本法人・日本モレックス株式会社(本社:神奈川県大和市、社長:廣川克巳)は、車載用電子機器向けに、極数ごとに豊富な製品群を取り揃え、特別な加工が不要で、商品立ち上げまでの時間が大幅に短縮できる2.54mmピッチ接続システム「Stac64™シリーズ」を発表した。
Stac64シリーズは、低レベル信号の要件と最大30.0Aまでの電力アプリケーションの両方をサポートし、OEMやデバイスメーカーにおける設計の幅をさらに柔軟する。特に、自動車関連メーカーはStac64をヘッダーアセンブリーの単独部品として使用でき、複数のヘッダーを連結して接続することも可能なため、デバイスやモジュール用途において広範な信号と電源のニーズをサポートできる。またStac64は、非防水コネクターアプリケーション向けに、機械的および電気的性能を規定するUSCAR-2 Class 11に準拠した標準製品であり、業界規格USCAR / EWCAPに準拠するインターフェースで設計された既存のワイヤーハーネスコネクターとの嵌合が可能である。
このStac64シリーズには、モジュールタイプの0.64mm、1.50mm、2.80mm幅端子ヘッダーがある。0.64mm幅端子をベースとした製品ラインは、低レベル信号に対応する8、12、16、20極のリセプタクルコネクター(34729シリーズ)で構成され、シングルベイ・ストレート型ヘッダー(34690シリーズ)とシングルベイ・ライトアングル型ヘッダー(34691シリーズ)の両タイプと嵌合する。また1.50mmと2.80mm幅端子は、電源アプリケーション向けの10極ハイブリッド・リセプタクルアセンブリー(31372シリーズ)であり、シングルベイハイブリッド・ストレート型ヘッダー(34695シリーズ)とシングルベイハイブリッド・ライトアングル型ヘッダー(34696シリーズ)の両タイプと嵌合する。
Stac64シリーズの主な特徴:
- 基板ヘッダーにそのまま嵌合可能なため、設計と検証に費やす時間を大幅に削減でき、立ち上げまでの時間を大幅に短縮。カスタムのマルチヘッダーは不要。
- ヘッダーおよびリセプタクルハウジングは標準USCAR色配列で成形し、目視での極性確認が可能で組み合わせも容易。
- PCテーブル位置合わせテープで、ライトアングルヘッダーの基板パッケージングを簡素化し、省スペース化を実現。
- モジュール型ハウジングは、ヘッダー間の連結接続を実現し多極要求に対応。
- 基板位置合わせポストにより、誤った組み付けを防止し、組み付け時および半田処理時にヘッダーを基板に保持。
- ハウジングの下に隙間を設け、ヘッダー下にトレース配線スペースを確保。
- 耐熱樹脂製ハウジングは、赤外線への耐久性を備え、最高温度260°Cでの鉛フリーウェーブ半田加工が可能で、モレックスの仕様ES-4000-5013に準拠。
- リセプタクルのTPAリリースラッチは、輸送中にTPAが誤組み付けされる可能性を大幅に低減し、取り外しツールも不要。
- TPAをリセプタクルハウジングに組み付けた状態で1つの製品として出荷するため、組み付けの作業負担とコストを低減。
Stac64シリーズのアプリケーションは、自動車関連のOEMメーカーやデバイスメーカーが対象であり、自動車の電動シートモジュールをはじめ、ドアゾーンモジュール、計器パネルクラスター、室内照明、ナビゲーションやラジオ/DVDなどの接続部品、バスやトラックの内装電装モジュールやボディ電装モジュールの接続部品に適している。