2011年6月30日 – SABICイノベーティブプラスチックスは、多用途で高性能なUltem*ポリエーテルイミド(ウルテム・PEI)樹脂ファイバーが、新たに重要な用途として高機能作業服および防護服で商品化されたことを明らかにした。ニッケグループのグループ企業である日本毛織株式会社(以下日本毛織)は、ウールおよび他の素材にUltemのファイバー(繊維・以下繊維)グレードを混紡し、耐久性と非ハロゲン難燃性(FR)および優れた耐UV性を発揮すると同時に快適さと高い防護性といったユニークな要望に応える糸や織物を開発した。従来のアラミド(芳香族ナイロン)素材と異なり、Ultem繊維は一般的なポリエステルの染色処理法にて簡単かつ低価格で様々な色調に染色可能、これにより日本毛織は、この作業服のファッション性を強調できることになる。SABICイノベーティブプラスチックスは新しい市場で成長を続けており、また常に世界で認められたUltem樹脂技術の用途開発の拡大に努め、製品の差別化および卓抜した性能といった革新的かつ新しい選択肢を顧客に提供している。
SABICイノベーティブプラスチックスのグローバル製品マーケティングマネージャー、キム・チョートによると、「作業服および防護服分野では従来素材から新素材へシフトしており、当社のUltem繊維は、顧客に良い選択肢として提案できる製品です。柔軟性に富み染色可能なこの繊維は、優れた快適さとファッション性を実現し、また、石油、ガス、化学等安全確保が第一である産業において求められる恒久的な難燃性および最高レベルの防護性と耐久性を提供します。私共はこの多目的繊維グレードの将来に更なる多くの用途を見出しており、航空機内装用コンポジットボード、濾過媒体および他の過酷な用途等新しい分野への適用が進んでいます。」
日本毛織の松元孝宣(衣料繊維事業本部)海外営業部長は、「弊社は、長期の研究期間を経て、ウルテム繊維を用いた全く新しい難燃素材を手に入れることが出来ました。その快適性と染色が容易であるという特質は、潜在的な顧客ニーズ、特に海外のワークウェア市場を開拓する上で大きなメリットとなるでしょう。」とコメントする。
日本毛織は、現在Ultem繊維をふんだんに混紡したシャツ、ズボン、ジャケット、つなぎの作業服製品に加え、糸製品や織物製品を販売している。
防護性と作業員
Ultem繊維は、その独特の機能配合により高機能作業服の積年の問題を解決した。従来の作業服、特にメタ系アラミドを使用したものは堅く着心地が悪い。また染色が難しく、コーポレートブランド、企業イメージカラーを使用した製品の生産に限度があった。一方、Ultem繊維は繊維が柔らかく、柔軟性に富むことから着心地の良さが大幅に改善、さらに様々な色への染色については既存設備の利用が可能なため設備投資費用の削減にも貢献する。その他、優れた耐紫外線特性を有しているのでアウトドアウェアの素材としても使用可能である。
Ultem繊維は、元来恒久的な難燃性を有している。製造には環境負荷物質であるハロゲンを使用しない独自の難燃技術を用い、低価格な織物製品に使用されるFR(難燃)剤と異なり洗濯による難燃性の劣化は起こらない。
この素材は、ヨーロッパ(EU)EN 531/ISO 11612基準および合衆国防火協会(NFPA)2112基準適合の優れた耐熱性および低煙性、低毒性機能をもつ。
SABICイノベーティブプラスチックスのUltem繊維製品に関する詳細は、www.sabic-ip.comをご覧ください。製品の技術関連のお問い合わせは、次のサイトからご連絡ください:www.sabic-ip.com/prtechinquiry。
* SABICイノベーティブプラスチックスIP BVの商標です。