2011年5月26日 – SABICイノベーティブプラスチックスは、モバイル機器のスペースと重量を軽減する立体回路形成技術(Laser Direct Structuring、以下LDS)に対応でき、カスタムカラーが可能な新しいLNP* Thermocomp*(サーモコンプ)コンパウンドを発表した。LDSは、電子的および機械的機能を携帯電話やノートパソコンの複合アンテナのように1つのモジュール部品に統合できる洗練された加工プロセスである。これまでは黒色のプラスチック材料しかなく、デザイナーはLDSコンポーネントを機器内部に閉じ込めることを余儀なくされていた。カスタムカラーが可能な新しいLNP Thermocompコンパウンド樹脂は、携帯機器のデザイン自由度向上に貢献する。この新しい素材の発表により、SABICイノベーティブプラスチックスは、今後の携帯機器のデザインや高度な製造技術において、先駆的リーダーシップのポジションを確固たるものとする。
「LDSは、携帯電話、ノートパソコンおよびタブレット端末を小型化するための有力な技術ですが、これまでは美観に制限がありました。LDSアプリケーション用のカスタムカラーが可能な素材を開発することで、SABICイノベーティブプラスチックスは、既に成功を収めている技術をさらに革新していきます。」と、SABICイノベーティブプラスチックスのLNPグローバルプロダクトマーケティングディレクターであるキャサリン・ヘスはコメントする。
SABICイノベーティブプラスチックスは、LDS技術の業界リーダーであるLPKF Laser & Electronics AG社との長年にわたる協力により、既に黒色素材を用いた技術ソリューションを発表している。SABICイノベーティブプラスチックスのカスタムカラーが可能な新しいLNP ThermocompコンパウンドおよびLPKF社のLDSに関する専門知識により、両社は顧客の成長に貢献するためのユニークなサプライヤーとなる。
「SABICイノベーティブプラスチックスの革新的な材料により、特許取得済みのレーザー技術を使って、部品統合デバイスのデザインに新しい可能性への扉を開きます。アンテナ、センサーおよび他の機能を携帯端末の中に統合することで、部品を統合化してスリムで小さなデザインにすることができます。ベーシックな黒色からカスタムカラーへの移行は、大きな前進であり、私たち共同の顧客に対して大きな競争上の優位性を約束します。」とLPKF Laser & Electronics社のカットおよび構造化レーザー部門担当副社長であるニルス・ハイニンガーはコメントする。
LPKF社のLDS技術は、特殊レーザーを使用してコンポーネントの回路レイアウトを、あらかじめ成形したプラスチック部品に印刷できる。その後、回路配線がレーザーパターンと全く同じになるようにメッキされる。SABICイノベーティブプラスチックスの新しい着色可能LNP Thermocompコンパウンドは、LPKF社製機器での使用において、既に評価・確認が済んでいる。用途としては発光ダイオード(LED)とコネクタ類との統合部品がある。
LNP Thermocomp、高い性能と美観を提供
LNP Thermocomp NX11302特殊コンパウンドは、カスタムカラーや外部ハウジングに優れた美観を提供する表面仕上げに加え、電子機器アプリケーションに最適な性能特性を提供する。その特性は、機器の耐久性を支える高い耐衝撃性、薄肉による高い曲げ弾性率、そして高い寸法安定性などである。ポリカーボネートとアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(PC/ABS)をベースにしたこのコンパウンドは、幅広い加工プロセスの可能性を提供し、また簡単にメッキ処理も行える。
SABICイノベーティブプラスチックスのLNP Thermocomp製品に関する詳細はwww.sabic-ip.comをご覧ください。製品の技術関連のお問い合わせに関しては、次のサイトからご連絡ください。www.sabic-ip.com/prtechinquiry
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